“大川口”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おおかわぐち80.0%
おほかはぐち20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この石川島はほぼ三角形で、東に石川大隅守おおすみのかみの屋敷、西に佃島つくだじまが、それぞれ堀を隔ててあり、北が大川口おおかわぐち、南には海がひろがっていた。
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それは大川口おおかわぐちから真面まとも日本橋区にほんばしくの岸へと吹き付けて来る風をけようがためで、されば水死人のしかばねが風と夕汐ゆうしおとに流れ寄るのはきまって中洲の方の岸である。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
江戸時代にさかのぼつてこれを見れば元禄九年に永代橋えいたいばしかゝつて、大渡おほわたしと呼ばれた大川口おほかはぐち渡場わたしば江戸鹿子えどかのこ江戸爵抔えどすゞめなど古書こしよにその跡を残すばかりとなつた。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
荷船の帆柱と工場の煙筒のむらがり立つた大川口おほかはぐちの光景は、折々をり/\西洋の漫画に見るやうな一種の趣味にてらして、此後このごとも案外長くある一派の詩人をよろこばす事が出来るかも知れぬ。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)