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徐々
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そろ/\
ふりがな文庫
“
徐々
(
そろ/\
)” の例文
と、吉野は手早く新坊の濡れた着衣を脱がせて、砂の上に仰向に
臥
(
ね
)
せた。そして、それに跨る樣にして、
徐々
(
そろ/\
)
と人工呼吸を遣り出す。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
徐々
(
そろ/\
)
脱
(
ぬぎ
)
かけ座敷へ上らんとするに下男の彌助心の
内
(
うち
)
彌々
(
いよ/\
)
迷惑
(
めいわく
)
に思ひ
奴
(
きやつ
)
に何とか云て何れにも
泊
(
とま
)
らぬやう追出して
仕廻
(
しまは
)
んともじ/\手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此の
突
(
つ
)
ツ
放
(
ぱな
)
すやうな仕打をされたので、近子は
些
(
ちつ
)
と
拍子抜
(
ひやうしぬけ
)
のした氣味であつたが、
何
(
な
)
んと思つたのか、また
徐々
(
そろ/\
)
所天
(
をつと
)
の傍へ寄ツて
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「成程な……」と客人は一寸考へるやうな眼色を見せたが、暫くすると、
徐々
(
そろ/\
)
荷物を
解
(
ほど
)
いて、なかから立派な
払子
(
ほつす
)
を取り出した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
時とすると、
背後
(
うしろ
)
の方からやつて来るものが有つた。
是方
(
こちら
)
が
徐々
(
そろ/\
)
歩けば
先方
(
さき
)
も徐々歩き、是方が急げば先方も急いで
随
(
つ
)
いて来る。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
や、
巡査
(
じゆんさ
)
が
徐々
(
そろ/\
)
と
窓
(
まど
)
の
傍
(
そば
)
を
通
(
とほ
)
つて
行
(
い
)
つた、
怪
(
あや
)
しいぞ、やゝ、
又
(
また
)
誰
(
たれ
)
か
二人
(
ふたり
)
家
(
うち
)
の
前
(
まへ
)
に
立留
(
たちとゞま
)
つてゐる、
何故
(
なぜ
)
默
(
だま
)
つてゐるのだらうか?
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
箇人の自由といふ観念の
徐々
(
そろ/\
)
芽を出し始めた時代に於て、かれは『死なば秋露のひぬまぞおもしろき』といふ
感興
(
かんきよう
)
を貴んだ旧式な辞世を残して
尾崎紅葉とその作品
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
勘「
宜
(
よ
)
うげす…それ七輪の火が煽って来た…
徐々
(
そろ/\
)
湯が
沸立
(
にた
)
って来たぞ
御覧
(
ごろう
)
じろ今に旨く煮てやるから
一寸
(
ちょっと
)
お
塩梅
(
あんばい
)
をしよう」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
蒲團
(
ふとん
)
をすつぽり、
炬燵櫓
(
こたつやぐら
)
の
脚
(
あし
)
を
爪尖
(
つまさき
)
で
抓
(
つね
)
つて
居
(
ゐ
)
て、
庖丁
(
はうちやう
)
の
音
(
おと
)
の
聞
(
きこ
)
える
時
(
とき
)
、
徐々
(
そろ/\
)
と
又
(
また
)
頭
(
あたま
)
を
出
(
だ
)
し、
一
(
ひと
)
つ
寢返
(
ねがへ
)
つて
腹這
(
はらば
)
ひで
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼女の腕に私の腕を絡ませ、ひたと身を寄り添はしながら、
徐々
(
そろ/\
)
と歩いて居るのが、何よりの幸福であつた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
狹い柳町の通は、
造兵歸
(
ざうへいがへり
)
の職工で、
煑
(
にえ
)
くり返るやうである。
軒燈
(
けんとう
)
が
徐々
(
そろ/\
)
雨の中から光出して、暖かい煙の
這出
(
はひだ
)
して來る
飯屋
(
めしや
)
の
繩暖簾
(
なはのれん
)
の前には、
腕車
(
くるま
)
が幾臺となく置いてある。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
目科は
徐々
(
そろ/\
)
と其疑いの鎮まりし如く「
爾
(
そう
)
さなア、矢張り血の文字は老人が書たのかも知れぬ」余は
忽
(
たちま
)
ち目を見開き「老人が左の手でかね、其様な事が有うか
夫
(
それ
)
に老人が
唯
(
たゞ
)
一突
(
ひとつき
)
で文字などを ...
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
... でも
猫
(
ねこ
)
が
蝙蝠
(
かうもり
)
を
食
(
た
)
べるかしら?』ところで
愛
(
あい
)
ちやんは
徐々
(
そろ/\
)
眠
(
ねむ
)
くなり、
夢
(
ゆめ
)
でも
見
(
み
)
てるやうに『
猫
(
ねこ
)
が
蝙蝠
(
かうもり
)
を
食
(
た
)
べるかしら?
猫
(
ねこ
)
が
蝙蝠
(
かうもり
)
を
食
(
た
)
べるかしら?』と
頻
(
しき
)
りに
云
(
い
)
つてゐましたが、
時々
(
とき/″\
)
反對
(
あべこべ
)
に
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
病車は夏の日の塵埃の多い中を、
徐々
(
そろ/\
)
と動いた。栄一は浴衣が無いので、紺の絣の単物の上に細い兵児帯を締めて看護に疲れた足を引きずつて行つた。夏の日はかん/\頭の上から照りつけた。
死線を越えて:02 太陽を射るもの
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
もう町々の氷屋が
徐々
(
そろ/\
)
店替をする頃だつた。私にも新らしい脊廣が出來た。或朝、私は平生より少し早目に家を出て電車に乘つた。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
すると大抵の客は、「結構ですな、それぢや御免を蒙つて私も裸になりますかな。」と、
徐々
(
そろ/\
)
帯を解きにかゝるさうだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お
連
(
つれ
)
の
方
(
かた
)
は
皆
(
みんな
)
通過
(
とほりす
)
ぎて
了
(
しま
)
つたやうでござりますで、
大概
(
たいがい
)
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
でござりませう。
徐々
(
そろ/\
)
曳出
(
ひきだ
)
して
見
(
み
)
ませうで。いや、
何
(
ど
)
うも
其
(
そ
)
の、あれでござりますよ。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
盜
(
ぬす
)
み取んと
彼曲者
(
かのくせもの
)
は半四郎が寢たる
夜着
(
よぎ
)
の
脇
(
わき
)
より
徐々
(
そろ/\
)
と腹の
邊
(
あたり
)
へ手を
差入
(
さしいれ
)
ければ後藤は目を
覺
(
さま
)
しはて
奴
(
きや
)
つめが來りしぞと
狸寢入
(
たぬきねいり
)
をして
密
(
ひそ
)
かに
傍
(
そば
)
の夜具を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その年も
何時
(
いつ
)
しか暮れて、また来る春に
草木
(
くさき
)
も
萌
(
も
)
え
出
(
いだ
)
しまする
弥生
(
やよい
)
、世間では上野の花が咲いたの向島が芽ぐんで来たのと
徐々
(
そろ/\
)
騒がしくなって参りまする。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そこで安心して、
徐々
(
そろ/\
)
仕事の支度に取懸ると、
其處
(
そこ
)
らには盛に螢を呼ぶ聲が聞える。其の聲を聞くと、急に氣が勇むで來て、愉快で
耐
(
たま
)
らない。それに
四方
(
あたり
)
の
景色
(
けしき
)
も
好
(
よ
)
かツた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『
可
(
よ
)
し』と
云
(
い
)
ひながら、
猫
(
ねこ
)
は
今度
(
こんど
)
徐々
(
そろ/\
)
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せました、
尾
(
を
)
の
尖端
(
とつぱな
)
から
引
(
ひ
)
ツ
込
(
こ
)
み
初
(
はじ
)
めて、
體
(
からだ
)
が
全然
(
すつかり
)
見
(
み
)
えなくなつて
了
(
しま
)
つても、一
番
(
ばん
)
終
(
しま
)
ひに
猶
(
な
)
ほ
暫
(
しばら
)
くの
間
(
あひだ
)
、
其
(
その
)
露出
(
むきだ
)
した
齒
(
は
)
ばかりは
殘
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
喫て先ず
脾
(
ひ
)
だるさの鉾先だけ収まるや
徐々
(
そろ/\
)
と話に掛り
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
ところが、抱月氏の生存当時、須磨子の勝気に
圧
(
お
)
しひしがれてゐた多くの男と女とは、抱月氏が亡くなると、
徐々
(
そろ/\
)
寄つて
集
(
たか
)
つてこの女優を
苛
(
いぢ
)
め出した。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『は。』と、言つて、
猾
(
ずる
)
さうな、臆病らしい眼附で健の顏を見ながら、忠一は
徐々
(
そろ/\
)
と
後退
(
あとしざ
)
りに出て行つた。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
願ひ上ますと
慇懃
(
いんぎん
)
に申ければ下役人
點頭
(
うなづき
)
否
(
いや
)
夫は案じるな
囚人
(
めしうど
)
は大切に致さねば
成
(
なら
)
ぬことは
上
(
かみ
)
からも
再應
(
さいおう
)
御
觸
(
ふれ
)
の有儀なり併し今
遇
(
あは
)
せた事は他へ云まいぞと
徐々
(
そろ/\
)
九助を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
折
(
をり
)
から
子
(
こ
)
を
背
(
せな
)
に、
御新造
(
ごしんぞ
)
一人
(
いちにん
)
、
片手
(
かたて
)
に
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
をさして、
片手
(
かたて
)
に
風車
(
かざぐるま
)
をまはして
見
(
み
)
せながら、
此
(
こ
)
の
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
り
行
(
ゆ
)
きぬ。あすこが
踏切
(
ふみきり
)
だ、
徐々
(
そろ/\
)
出懸
(
でか
)
けようと、
茶店
(
ちやてん
)
を
辭
(
じ
)
す。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と暫く
其方
(
そっち
)
を見送って居ましたが、何時まで立っても
居
(
い
)
られませんから、
徐々
(
そろ/\
)
と門の中へ入りました。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『まァ、
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だわねえ』
愛
(
あい
)
ちやんは
徐々
(
そろ/\
)
その
意味
(
いみ
)
が
解
(
わか
)
つて
來
(
き
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
戰ひに慣れた心が、何一つ波風の無い編輯局に來て、
徐々
(
そろ/\
)
睡氣がさす程「無聊の壓迫」を感じ出したのだ。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
眼の悪い針医を呼んで
種々
(
しゅ/″\
)
介抱致して、
徐々
(
そろ/\
)
お蘭に聞いたが、何うあっても訳を申しません、操が立ちませんからどうぞ私を殺して自害をさして下さいと云うのみ。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それは指先で皮を
剥
(
む
)
かないで、蜜柑を掌面に載せておいて、前歯でそれに
噛
(
かじ
)
りつく、そして出来た
歯形
(
はがた
)
に指を突込むでそれから
徐々
(
そろ/\
)
剥いて
行
(
ゆ
)
くといふ
遣
(
や
)
り方である。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あゝ、
最
(
も
)
う
大分
(
だいぶ
)
遲
(
おそ
)
うござります。さあ、お
召
(
め
)
しなさりまし。
御存
(
ごぞん
)
じの、あの
目
(
め
)
の
赤
(
あか
)
い
大蜈蚣
(
おほむかで
)
の
紆
(
うね
)
つた、
下
(
さが
)
り
藤
(
ふぢ
)
の
揃
(
そろ
)
ひの
軒提灯
(
のきぢやうちん
)
を
御覽
(
ごらう
)
じながら、
徐々
(
そろ/\
)
お
歸
(
かへ
)
りなさいませんか。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
金子も
一時
(
いちじ
)
に渡さずに、
徐々
(
そろ/\
)
持って往って、追々とお買出しをなすった方が宜しゅうございます
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
よしんば
什麽
(
どんな
)
冒険好きな女でも、チヨコレエトの代りに男に惚れるやうな
心得違
(
こゝろえちがひ
)
はしない筈だ。女といふものは、十人が十人、先づチヨコレエトを
喰
(
た
)
べて、それから
徐々
(
そろ/\
)
男に惚れるものなのだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『ところで君、
徐々
(
そろ/\
)
話を始めようぢやないか?』と後藤君は言出した。
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
由「でも、ピイー/\と川へ響けて大層聞えますね……何だか
私
(
わっし
)
ア気が
急
(
せ
)
きますから、旦那
徐々
(
そろ/\
)
支度をなさいな…大きに姉さんお世話さま、お茶代は此処へ置きましたよ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その日も思つた程
顔触
(
かほぶれ
)
が集まらないので、お婆さんは
徐々
(
そろ/\
)
艴
(
むく
)
れ出した。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
丁度八月の十日、赤い/\日が
徐々
(
そろ/\
)
西の山に辷りかけた頃であつた。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
夫
(
それ
)
から
徐々
(
そろ/\
)
京都
(
きやうと
)
へ
参
(
まゐ
)
る
支度
(
したく
)
をして
居
(
を
)
ります
中
(
うち
)
に、新聞で見ましても、人の
噂
(
うはさ
)
を聞きましても、
西京
(
さいきやう
)
の
旅籠屋
(
はたごや
)
は客が山を
為
(
な
)
して、ミツシリ
爪
(
つめ
)
も立たないほどだといふ事でございますから
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
三十幅四十幅と書いてゐるうちに、広沢は
徐々
(
そろ/\
)
厭になり出した。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『
徐々
(
そろ/\
)
始めようぢやありませんか、大抵揃ひましたから。』
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
今日は大伴兄弟も
他
(
た
)
へ
用達
(
ようたし
)
に
行
(
ゆ
)
くことなし、晦日のことで用もあるから
払方
(
はらいかた
)
を済ませ、
家
(
うち
)
で一杯飲むということを聞きましたから、
今宵
(
こよい
)
こそ彼を討たんと、昼の
中
(
うち
)
から
徐々
(
そろ/\
)
身支度を致します。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「もう
徐々
(
そろ/\
)
始めようかな。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
などゝ横着な奴は手拭の上に紙を
布
(
し
)
いて
徐々
(
そろ/\
)
肴
(
さかな
)
を包み始めた。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
徐
常用漢字
中学
部首:⼻
10画
々
3画
“徐”で始まる語句
徐
徐晃
徐盛
徐州
徐庶
徐福
徐徐
徐氏
徐行
徐元直