徐々しづ/\)” の例文
持頭は惣髮そうはつ撫附なでつけにて威風ゐふう近傍を拂つて徐々しづ/\と進み行く續いて常樂じやうらく院天忠和尚は紫きの直綴ぢきとぢを纏ひ蜀紅錦しよくこうにしきの袈裟を掛けて手に水晶の念珠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
二人の騎士は主君より拝領なせし領土をさして、カルパシヤの山麓を、徐々しづ/\と駒を進めたり。イワンは後方しりへにわがをば、鞍に結びて乗せ行けり。はや黄昏の頃ほひなりしが、尚も先へと進み行く。
ちやくし内心は惡鬼羅刹あくきらせつの如くふところに短刀を用意し何氣なきていにて徐々しづ/\と歩行寄けり天一は斯る惡心ありとはゆめにも知ず靈具を供畢そなへをはり立上らんとする處を天忠はかくし持たる短刀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かくて常樂院は伊賀亮いがのすけの内意をうけ徐々しづ/\と出で來り彼庄藏かのしやうざう三郎兵衞の兩人に對面たいめんするに兩人は口を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)