つま)” の例文
一首は、し奈良に残して来たつまも一しょなら、二人で聞くものを、沖のなぎさに鳴いて居る鶴の暁のこえよ、何とも云えぬい声よ、という程の歌である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
殿祭トノホカヒ室寿ムロホギのうたは、家讃め・人讃め・覉旅・宴遊のうたを分化し、鎮魂の側からは、国讃め、妻ぎ・つま偲び・賀寿・挽歌・祈願・起請などに展開した。
おもしろき事いふものか米の飯つまのごともいよよしちふ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
若草の妻の子故に川辺かわべ川しば/\渡るつまの子故に
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
若草の つま持たせらめ三九
つまを争ふらしき」という感慨を潜めていると云っても対象が対象だから此歌とは違うのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
人飛びてつま恋ふる時しあめなるや雲高光り音をひそめつ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
若草の三五 つまの命。
南京なんきんあつものを我に食はしめし夏汀がつまは美しきかな
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)