つま)” の例文
つまらんな、無意義むいぎだ………もう何もも放擲つて了はうかしら!穴籠あなごもりしてゐると謂や、かにだつてもう少し氣のいた穴籠をしてゐるぜ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「こんな所にゐてはつまりません。」だの何だのつて言ふの。なんだか愚痴見たいな心細い話ばかりするのよ。
梅龍の話 (旧字旧仮名) / 小山内薫(著)
僕は批評と云わず、さくと云わず、セルフのないものはつまらないと思う。ただ単にうまいと思って読むものと、心の底から感動させられるものとはおのずからそこに非常な相違があると思う。
動く絵と新しき夢幻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
考えて見ると漢籍ばかり読んでこの文明開化の世の中に漢学者になった処が仕方なし、別にこれと云う目的があった訳でもなかったけれど、此儘このままで過ごすのはつまらないと思う処から
落第 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ところ或日あるひ石橋いしばしが来て、たゞかうしてるのもつまらんから、練習のために雑誌をこしらへては奈何どうかとふのです、いづれも下地したぢすきなりで同意どういをした、ついては会員組織くわいゝんそしきにして同志どうしの文章をつのらうと議決ぎけつして
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一箇人としては、無意識な、つまらん動物だけれども、る仕事は立派だ……少くとも、此の學校に取ツては無くてはならん人物だ。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
けれどもつかまへる時の愉快な味が忘れられなかツたので、骨折損もつまらないもあツたもので無い。自分は毎夜のやうに、螢征伐に出掛けた。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
何時も何かつまらないやうな、物足りぬ顔で大きな古づくえの前に坐り込むでゐるが、飽きるとゴロリ横になツて、貧乏揺をしながら何時とはなく眠ツて了ふ。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
るとお前は中々此の望をとげさせて呉れるやうな女ぢやない、で段々だん/\飽いて來るやうになツたんだ。お前も間尺ましやくに合はんと思ツてゐるだらうが、おれつまらんさ。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
つまらん動物さ、ふう。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)