“穴籠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あなごも62.5%
あなごもり37.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「殊にここらは山奥だもの。」と、市郎は笑って、「まあ、これから来年の春までは、蛇や熊のように穴籠あなごもりをして居るんだよ。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おお寒い寒い! 皆さん手に息を吹っかけて、家ん中へはいってオンドルの上にちぢこまる。へへん、笑いごっちゃあねえ。蛇だって寒いから、穴籠あなごもりだ。
つまらんな、無意義むいぎだ………もう何もも放擲つて了はうかしら!穴籠あなごもりしてゐると謂や、かにだつてもう少し氣のいた穴籠をしてゐるぜ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
たちまち朱筆の一棒をくらうだけで、気の吐きどころのない、ぐうを負う虎、壁裏の蝙蝠こうもり穴籠あなごもりの熊か、中には瓜子うりこという可憐なのも、気ばかり手負の荒猪あらじしだろう。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)