穴籠あなごもり)” の例文
つまらんな、無意義むいぎだ………もう何もも放擲つて了はうかしら!穴籠あなごもりしてゐると謂や、かにだつてもう少し氣のいた穴籠をしてゐるぜ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
たちまち朱筆の一棒をくらうだけで、気の吐きどころのない、ぐうを負う虎、壁裏の蝙蝠こうもり穴籠あなごもりの熊か、中には瓜子うりこという可憐なのも、気ばかり手負の荒猪あらじしだろう。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「はははは、別荘おしもやしき穴籠あなごもりじじめが、土用干でございますてや。」
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)