つま)” の例文
是非来月で無ければ成らないと云う訳もありませんから、つま貴下あなたや市郎さんの思召おぼしめし次第で……妾の方は何方どちらでもよろしいのです。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かつて深川で左褄ひだりづまを取っていた師匠は、万事ゆったりしたこの町の生活気分が気に入り、大弓場の片手間に、昔し覚えこんだ清元の稽古をしてつましく暮らしているのだったが
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
いわゆる大衆物はやはり相応に流行して読まれたが、生活がつましかったのと多少の閑があったのとで、買うよりは貸本屋から借りては面白いものは丸写しか抜写しをしたものだ。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
つまりわたしから師匠の小翫にたのんで、師匠から照之助に話して貰って、照之助をこの御下屋敷へ呼ぼうと云うのでございます。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ねえ、阿父おとっさん。外国でも遠い田舎へ行くと、種々いろいろ不思議な話があるそうで……。つまり一種の迷信ですね。ここの山𤢖なんて云うものもはりの一つでしょう。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
つまり若旦那がお前と密通していて、お前が心中を仕掛けたと云うことになる。そうすれば、若旦那も離縁になる。それがお店の為でもあり、お嬢さんの為でもある。
黄八丈の小袖 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どっちもひどくつましい人間で、木賃宿にごろごろして、三度の飯さえとどこおりなく食っていればいいという風でしたから、江戸に暮らしていても幾らもかかりゃしません。
半七捕物帳:18 槍突き (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いずれ近所の人の児であろうと、あくる朝方々ほうぼうへ問い合わして見たが、このしゅくでは小児こどもられた者は一人ひとりも無い。隣村にも無い。つま何処どこから持って来たのだか判らずにしまった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
女ふたりが幾らつましく暮らしていても、居喰いでは長く続こう筈もない。
平造とお鶴 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)