つま)” の例文
旧字:
また、伊勢人は一体に物につましく、貨殖の道が上手じょうずなところから、ねたみ半分にこんな悪名をかぶらせたのだという説もあります。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
このところ来客に出す酒肴もみすぼらしいほど粗末になった、家内の食事は焼き味噌に菜漬だということも耳にする、……それほどつましくするおまえが
日本婦道記:尾花川 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
客が一人きたときは彼はわたしのつましい食事をともにしたが、話しながら即席のプッディングをかきまぜたり
幸子達の装いに比べて少しお粗末過ぎ、今日の見合いを如何いかに手軽に考えているかと云う証拠にもなるが、なかなかつましい生活の人であることをも語っている。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
おもても飾らず物の使いぶりもつましい、商売が忙しくなっても人を雇うようすはなかった。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)