“おくさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
夫人47.5%
奥様39.3%
令夫人3.3%
未亡人3.3%
細君3.3%
奧樣1.6%
妻君1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが夫人おくさん、貴女はそれによって艇長が属していた快走艇ヨット倶楽部くらぶ——王立カリンティアン倶楽部の三角旗を指摘したのでしたね。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「あないに何処も彼処かしこも白おしたら晴れがましおしてなあ。………あんさんとこの奥様おくさんみたい綺麗きれおしたらよろしおすけど。………」
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「ああ、おうわさで存じております。島山さんの令夫人おくさんでいらっしゃいますか。……これはどうも。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ええ。あんな男前の人だから、未亡人おくさんの気に入るくらい何でもないでしょうよ」
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
近いためしは今尾の奥様、押出しはよし、容貌きりようはよし、御教育もあるとやら。やらやら尽くしで殿達は、近来の大騒ぎ。何でもあんな細君おくさんをと、独身ひとりものはなほの事。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
唯一度、信吾は對手を「奧樣おくさん」と呼んで見た。清子は其時うつむいて茶をいでゐたが、返事はしなかつた。また顏も上げなかつた。信吾は女の心を讀んだ。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それに梅子さんほかの方の妻君おくさんなど不思議だと思ひますよ、男子の不品行は日本の習慣だし、ことに外交官などは其れが職務上の便宜べんぎにもなるんだからなんて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)