トップ
>
夫人
>
おくさん
ふりがな文庫
“
夫人
(
おくさん
)” の例文
「郡長の
夫人
(
おくさん
)
はあれでなかなか分ってるぞ。」とか、「君は明日役場に行って、も一度愛国婦人会の名簿を借りて名をうつしたまえ。」
遠野へ
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
ところが
夫人
(
おくさん
)
、貴女はそれによって艇長が属していた
快走艇
(
ヨット
)
倶楽部
(
くらぶ
)
——王立カリンティアン倶楽部の三角旗を指摘したのでしたね。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「
夫人
(
おくさん
)
、
貴女
(
あなた
)
が芸術家ですつて。これは初めて伺ひました。結構な内職をお持ちですね。世間へは精々
内証
(
ないしよう
)
にして置きませうね。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「だって人の
夫人
(
おくさん
)
が妊娠したのなら、先生の子供かどうかわからないでしょう。きっと誰かの中傷ですよ、そんなことを言いふらすのは」
或る探訪記者の話
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
其三日目の日曜に、大川氏の
夫人
(
おくさん
)
が訪ねて來たといふので
吃驚
(
びつくり
)
して起きると、「宅に
穿
(
は
)
かせる積りで仕立さしたけれど、少し短いから。」
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
お
前様方
(
めえさんがた
)
が人中で
面
(
つら
)
を
曝
(
さら
)
して、こんな会をしなさるのは、ああ、あの
夫人
(
おくさん
)
は
情
(
なさけ
)
深い感心な御方だと人に謂われたいからであろう。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お雪はある日、末はこの人の
夫人
(
おくさん
)
にと、はかない望みを抱いていた、情人の机のかたわらに、身をすくめて坐っていた。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「ともかく、あの
夫人
(
おくさん
)
の鼻を明かすというのは、私も大賛成だね。では待っておいで! 今すぐ行くからね」
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
然し
夫人
(
おくさん
)
、悲痛の重荷は
偏
(
ひとえ
)
にあなたの肩上に落ちました。あなたの経歴された処は、思うも恐ろしい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「あれはフィリップさんという
梟
(
ふくろ
)
の夫婦。いま鳴いてるのは
夫人
(
おくさん
)
の方です」と、
囁
(
ささや
)
くように答えた。
ノンシャラン道中記:03 謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
『
夫人
(
おくさん
)
、
其樣
(
そん
)
な
事處
(
ことどころ
)
でありません、
貴女
(
あなた
)
と
少年
(
せうねん
)
とは
如何
(
どう
)
しても
助
(
たすか
)
らねばなりません、
私
(
わたくし
)
が
濟
(
す
)
まない/\。』と
叫
(
さけ
)
んで
見渡
(
みわた
)
すと
此時
(
このとき
)
第二
(
だいに
)
の
端艇
(
たんてい
)
も
下
(
お
)
りた、
第三
(
だいさん
)
の
端艇
(
たんてい
)
も
下
(
お
)
りた
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
お前方の仲間に殺された善良な農民や女子供の死骸だの、また、黄巾の党に入らないので、
縊
(
くび
)
り殺された地頭やら、その
夫人
(
おくさん
)
やら、戦って死んだ役人衆やら——何百という死骸がのう
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
笹村は玄関から茶の
室
(
ま
)
へ顔を出して、
夫人
(
おくさん
)
に先生の容態を尋ねなどした。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
よその
夫人
(
おくさん
)
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
所々の
水溜
(
みずたまり
)
では、
夫人
(
おくさん
)
の足がちらちら映る。
真中
(
まんなか
)
は
泥濘
(
ぬかるみ
)
が
甚
(
ひど
)
いので、
裙
(
すそ
)
の濡れるのは我慢しても、
路傍
(
みちばた
)
の草を
行
(
ゆ
)
かねばならない。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ところが
夫人
(
おくさん
)
、だいたいが、トリエステの早代りさえも映ろうという僕の眼に、そんなものは、てんから不必要なのですよ。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「
夫人
(
おくさん
)
、もしか
貴女
(
あなた
)
のお顔の色がもつと黒くて、そしてもつと肥えて居らつしたら、
私
(
わたくし
)
、あなたの為めに自分の国をも投げ出すんですがね。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
(一同真っ蒼になってふるえる)さ、手をあげなさい! (一同手をあげる)一番こちらの
夫人
(
おくさん
)
から次々に
頸
(
くび
)
飾りと指環とをはずしてお渡しなさい。
探偵戯曲 仮面の男
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
貞奴
(
さだやっこ
)
が引退興行のときおなじように招かれて落ち合ったおり、
野暮
(
やぼ
)
なおつくりではあるが立派な衣裳になった彼女は飾りけのないよい
夫人
(
おくさん
)
であった。
田村俊子
(
たむらとしこ
)
さんが
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
アルベエル・エドゥアールの
突堤
(
ジコテ
)
に続く
棕櫚散歩道
(
パルム・ビーチ
)
をおもむろに眺めるところ、行くさ来るさの市井雑爼は今日もまた
寝巻的散歩服
(
ジュップ・ピジャマ
)
の令嬢にあらざれば
袖無寛衣
(
ブルウズ・サン・マンシュ
)
の
夫人
(
おくさん
)
ノンシャラン道中記:03 謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そんなに方々へ売ってしまうんなら、ルロイ・ソレルの
夫人
(
おくさん
)
なんぞ口留料を出しただけ莫迦を
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
『
濱島君
(
はまじまくん
)
、して、
其後
(
そのゝち
)
、
君
(
きみ
)
も、
夫人
(
おくさん
)
も、
引續
(
ひきつゞ
)
いてネープルス
港
(
かう
)
にのみお
在留
(
いで
)
でしたか。
今
(
いま
)
また
此
(
この
)
軍艦
(
ぐんかん
)
に
便乘
(
びんじよう
)
して
日本
(
につぽん
)
へお
歸國
(
かへり
)
になるのは
如何
(
どう
)
いう
次第
(
しだい
)
です。』と
胸
(
むね
)
に
手
(
て
)
を
置
(
お
)
いて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其死が
夫人
(
おくさん
)
、あなたをはじめとして全世界に
彼様
(
あん
)
な
警策
(
けいさく
)
を与えることが出来たでしょう乎。
彼
(
あの
)
最後
(
さいご
)
彼
臨終
(
りんじゅう
)
あるが為に、先生等身の著作、多年の言説に
画竜
(
がりゅう
)
の
睛
(
せい
)
を
点
(
てん
)
じたのではありますまい乎。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
其三日目の日曜に、大川氏の
夫人
(
おくさん
)
が訪ねて来たといふので
吃驚
(
びつくり
)
して起きると、「宅に穿かせる積りで仕立さしたけれど、少し短いから。」と云つて、新しい仙台平の袴を
態々
(
わざわざ
)
持つて来て呉れた。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「失礼だが、劉兄には、まだ
夫人
(
おくさん
)
はないようだな」
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
よその
夫人
(
おくさん
)
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
夫人
(
おくさん
)
、好事門を出でずと申しましたけれども、ああ、善きことは致したいもの、これ
御覧
(
ごろう
)
じまし。」と三太夫が書斎に
齎
(
もたら
)
したる毎晩新聞。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まったく結果だけを見たら、それが、あのまたとない一人三役——ねえ
夫人
(
おくさん
)
、貴女はたぶん、それを御存知ないのでしょうね
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「それは屹度、
厩
(
うまや
)
のかへりに馬を撫でたその
掌面
(
てのひら
)
で、
夫人
(
おくさん
)
の
頬桁
(
ほゝげた
)
を思ひきり
擲
(
どや
)
しつける癖なんだらう。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
夫人
(
おくさん
)
、日本へ行つたら、こんな風なさしみ皿買つて來て下さい、といふふうだ。お茶受けには鮨をつくり、汁粉をつくる。しかもお國料理はもとより、ふらんす料理も立派にやる。
北京の生活
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
『
夫人
(
おくさん
)
、すこし、
甲板
(
デツキ
)
の
上
(
うへ
)
でも
逍遙
(
さんぽ
)
して
見
(
み
)
ませうか。』と
私
(
わたくし
)
は
二人
(
ふたり
)
を
誘
(
いざな
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「なんだ、それではお前はソレルの
夫人
(
おくさん
)
に逢ったというわけではないのだね。モリナーレの
夫人
(
おくさん
)
に逢ったわけなんだね。私はまた、お前が電話でソレルの
夫人
(
おくさん
)
、ソレルの夫人というものだから……」
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
夫人
(
おくさん
)
。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
夫人
(
おくさん
)
。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
直
(
じ
)
きこの
安東
(
あんとう
)
村に居るんです。貞造と申して、以前御宅の
馬丁
(
べっとう
)
をしたもので、……
夫人
(
おくさん
)
、貴女の、実の……
御父上
(
おとうさん
)
……」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ですから
夫人
(
おくさん
)
、僕には、貴女に当時の状況をお訊ねして、相変らず
鬼談的
(
デモーニッシュ
)
な運命論を
伺
(
うかが
)
う必要はないのですよ
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
断つておくが、発音の悪いのは、上流家庭の
夫人
(
おくさん
)
では無くて、
夫人
(
おくさん
)
よりも口数の少い鸚鵡なのである。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
青白い、神経質らしい、その仲間でのインテリ
夫人
(
おくさん
)
だった。薄い髪の毛を上品に、下の方へ丸めた束髪で、白っぽい
風通
(
ふうつう
)
か小紋ちりめんを着て、黒い帯をしめ、金歯が光っていた。
旧聞日本橋:18 神田附木店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「ほんとうに
夫人
(
おくさん
)
、気を落着けて下さらんでは
不可
(
いけ
)
ません。
突然
(
いきなり
)
海へ飛込もうとなすったりなんぞして、
串戯
(
じょうだん
)
ではない。ええ、
夫人
(
おくさん
)
、心が
確
(
たしか
)
になったですか。」
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ねえ
夫人
(
おくさん
)
、つまり、この
詭計
(
トリック
)
の発因と云うのが、博士にかけられた貴女の電話にあったのですよ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「何ですつて、
夫人
(
おくさん
)
。私の
叱言
(
こごと
)
が過ぎるから、会員が減るんですつて。ぢや、もうこれからは一切この会へ寄りつきませんからね。」と顔を歪めて
喚
(
わめ
)
くやうに我鳴り立てたが
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
夫人
(
おくさん
)
、
夫人
(
おくさん
)
。ああ好い夫人だ。お美しいお顔だ、お立派なお
召物
(
めしもの
)
だ。」
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
気を静めて、
夫人
(
おくさん
)
、しっかりしなければ
不可
(
いけ
)
ません。落着いて、
可
(
い
)
いですか。心を
確
(
たしか
)
にお持ちなさいよ。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そういう解しきれない矛盾が、僕の懸念を濃厚にしたのでした。ところで
夫人
(
おくさん
)
、あの夜
貴女
(
あなた
)
がこの
扉
(
ドア
)
を開かれて、さてそれからどこへ行かれたものか、当ててみましょうか。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
それに大久保氏には美しい
夫人
(
おくさん
)
がある。吊革は
夫人
(
おくさん
)
をして安心させる事が出来る。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「お妾さんでない。お雪さん、あたくしの
夫人
(
おくさん
)
です。」
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
あんな可愛いお嬢さんにお育てなすったお手柄は、真砂町の
夫人
(
おくさん
)
だけれど、
産
(
う
)
……産んだのは私だよ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
夫人
(
おくさん
)
、あなたの頭に載つかつてゐるのは何ですね。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「あたし
夫人
(
おくさん
)
じゃない、
妾
(
めかけ
)
ですっていってやったの」
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
夫人
(
おくさん
)
、大慈大悲の御心持で、この願いをお叶え下さるわけには参りませんか、十分間とは申しません。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夫
常用漢字
小4
部首:⼤
4画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“夫人”で始まる語句
夫人様
夫人廟
夫人等
夫人交際
夫人同士
夫人帯同