“おくがた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
奥方35.3%
夫人26.5%
奧方23.5%
御夫人5.9%
令夫人2.9%
令室2.9%
内室2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
旅行中の、ある若い公爵こうしゃくが、奥方おくがたといっしょに、ちょうどこの町を通りかかって、きょうの芝居を見物にきていました。
しき夫人おくがたむかへたまひぬともあいらしきちごうまたまふとものつらさがおもはるゝぞとてほろ/\と打泣うちなけばお八重やへかなしく
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いふ心夢しんむとはつね平生へいぜいこゝろに思ふ事を見るをいふなりこの時奧方おくがたの見給ふは靈夢れいむにして天下の主將しゆしやうなるべきさが後々のち/\思ひしられたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……それが、旦那のおはなしを伺って、楠木正成公というお方、またその御夫人おくがたや、お子たちや、ご一族などの——なんといったらいいか、ご忠義のほどを知ってみると、その日からですよ。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
事実明かに、その人の好まない自分のとこ令夫人おくがたをお寄せ申すんだから、謹んで島山さんの思わくに服するんだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一寸見ちょっとみには、かの令嬢にして、その父ぞとは思われぬ。令夫人おくがた許嫁いいなずけで、お妙は先生がいまだ金鈕きんぼたんであった頃の若木の花。夫婦ふたりの色香を分けたのである、とも云うが……
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぱっと風説うわさたちますため、病人は心が引立ひったち、気の狂ったのも安心して治りますが、のがれられぬ因縁で、その令室おくがたの夫というが、旅行たびさきの海から帰って
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この明さんと、御自分の令室おくがたが、てっきり不義にきわまった、と最早その時は言訳立たず。鶴谷の本宅から買い受けて、そしてこの空邸へ、その令室をとじめましょう。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ロレ おくらせられい。……内室おくがたも一しょにらせられい。……パリスどのにも。……いづれも亡姫なきひめ隨行ともをして墓場はかば準備したくをなされ。