令室おくがた)” の例文
ぱっと風説うわさたちますため、病人は心が引立ひったち、気の狂ったのも安心して治りますが、のがれられぬ因縁で、その令室おくがたの夫というが、旅行たびさきの海から帰って
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この明さんと、御自分の令室おくがたが、てっきり不義にきわまった、と最早その時は言訳立たず。鶴谷の本宅から買い受けて、そしてこの空邸へ、その令室をとじめましょう。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その美しい令室おくがたが、人にじ、世に恥じて、一室処ひとまどころ閉切とじきって、自分を暗夜やみに封じ籠めます。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)