令夫人おくがた)” の例文
事実明かに、その人の好まない自分のとこ令夫人おくがたをお寄せ申すんだから、謹んで島山さんの思わくに服するんだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一寸見ちょっとみには、かの令嬢にして、その父ぞとは思われぬ。令夫人おくがた許嫁いいなずけで、お妙は先生がいまだ金鈕きんぼたんであった頃の若木の花。夫婦ふたりの色香を分けたのである、とも云うが……
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二三日って、ともかく、それとなく、お妙がお持たせの重箱を返しかたがた、土産ものを持って、主税が真砂町へ出向くと、あいにく、先生はお留守、令夫人おくがたは御墓参
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)