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夫人
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ふじん
ふりがな文庫
“
夫人
(
ふじん
)” の例文
ある
時
(
とき
)
は、
隣室
(
りんしつ
)
に
臥
(
ね
)
てゐるKの
夫人
(
ふじん
)
に
搖
(
ゆす
)
り
起
(
おこ
)
されて
眼
(
め
)
を
覺
(
さ
)
ましたが、
彼女
(
かのぢよ
)
にはそれが
單
(
たん
)
に
夢
(
ゆめ
)
とばかり、
打
(
う
)
ち
消
(
け
)
すことができなかつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
と
言葉
(
ことば
)
やさしく
愛兒
(
あいじ
)
の
房々
(
ふさ/″\
)
せる
頭髮
(
かみのけ
)
に
玉
(
たま
)
のやうなる
頬
(
ほゝ
)
をすり
寄
(
よ
)
せて、
餘念
(
よねん
)
もなく
物語
(
ものがた
)
る、これが
夫人
(
ふじん
)
の
爲
(
た
)
めには、
唯一
(
ゆいいつ
)
の
慰
(
なぐさみ
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
書斎
(
しょさい
)
のドアは、ほんのすこしひらいている。まっさおな顔でついてきた
夫人
(
ふじん
)
をうしろにかばいながら、
牧師
(
ぼくし
)
は、そっとのぞきこんだ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
裾野
(
すその
)
の
煙
(
けむり
)
長
(
なが
)
く
靡
(
なび
)
き、
小松原
(
こまつばら
)
の
靄
(
もや
)
廣
(
ひろ
)
く
流
(
なが
)
れて、
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
幕
(
まく
)
更
(
さら
)
に
富士山
(
ふじさん
)
に
開
(
ひら
)
く
時
(
とき
)
、
其
(
そ
)
の
白妙
(
しろたへ
)
を
仰
(
あふ
)
ぐなる
前髮
(
まへがみ
)
清
(
きよ
)
き
夫人
(
ふじん
)
あり。
肘
(
ひぢ
)
を
輕
(
かる
)
く
窓
(
まど
)
に
凭
(
よ
)
る。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さてあのおしとやかなふうをした歌い
雌犬
(
めすいぬ
)
はドルス
夫人
(
ふじん
)
です。あの子はイギリス
種
(
だね
)
で、名前はあの子の
優
(
やさ
)
しい気だてにちなんだものだ。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
▼ もっと見る
或
(
あ
)
る
騎兵大隊長
(
きへいだいたいちやう
)
の
夫人
(
ふじん
)
に
變者
(
かはりもの
)
があつて、
毎
(
いつ
)
でも
身
(
み
)
に
士官
(
しくわん
)
の
服
(
ふく
)
を
着
(
つ
)
けて、
夜
(
よる
)
になると
一人
(
ひとり
)
で、カフカズの
山中
(
さんちゆう
)
を
案内者
(
あんないしや
)
もなく
騎馬
(
きば
)
で
行
(
ゆ
)
く。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
只
(
たゞ
)
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ
他
(
ほか
)
には
何
(
なん
)
にも
考
(
かんが
)
へつきませんでした、『それは
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
の
受持
(
うけもち
)
よ、
其
(
そ
)
の
事
(
こと
)
なら
夫人
(
ふじん
)
に
訊
(
たづ
)
ねた
方
(
はう
)
が
可
(
い
)
いわ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
S、H
氏
(
し
)
も
京都
(
けうと
)
から
来
(
き
)
たT
氏
(
し
)
の
連中
(
れんちう
)
が、どこかで
待
(
ま
)
つてゐるといふので、
夫人
(
ふじん
)
と
何
(
なに
)
か
打合
(
うちあわ
)
せをして、
少
(
すこ
)
し
前
(
まえ
)
に
帰
(
かえ
)
つて
行
(
い
)
つた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
所の
伝
(
つた
)
へに大なるを
時平
(
しへい
)
の塚とし、小なるを時平の
夫人
(
ふじん
)
の塚といふ。時平大臣夫婦の塚此地に
在
(
ある
)
べき
由縁
(
いはれ
)
なきことは論におよばざる
俗説
(
ぞくせつ
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
假
(
かり
)
に家庭の事情を打破ツて、結婚したとしてからが、お房が美術家の妻として、また
子爵
(
ししやく
)
家の
夫人
(
ふじん
)
として
品位
(
ひんゐ
)
を保ツて行かれるかどうかといふことが
疑問
(
ぎもん
)
である。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
叔父御
(
をぢご
)
カピューレット
殿
(
どの
)
、
同
(
おな
)
じく
夫人
(
ふじん
)
、
同
(
おな
)
じく
令孃達
(
むすめごがた
)
。
麗
(
うるは
)
しき
姪
(
めひ
)
のローザライン。リヸヤ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
こちらの
世界
(
せかい
)
へ
来
(
き
)
てからの
私達
(
わたくしたち
)
は
全然
(
ぜんぜん
)
飲食
(
いんしょく
)
をいたしませぬので、
従
(
したが
)
ってこまかいことは
判
(
わか
)
りませぬが、ただ
私
(
わたくし
)
の
守護
(
しゅご
)
しているこの
女
(
おんな
)
(T
夫人
(
ふじん
)
)の
平生
(
へいせい
)
の
様子
(
ようす
)
から
考
(
かんが
)
えて
見
(
み
)
ますと
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
万屋
(
よろづや
)
に吾を訪ひまし
物語
(
ものがた
)
るよりえ
夫人
(
ふじん
)
は
長塚節
(
ながつかたかし
)
のこと
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
だが——
夫人
(
ふじん
)
は既に知っていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれどほんとうに正直なことを言えば、わたしがいちばん深く感じたのは、この
夫人
(
ふじん
)
と子どもの、めずらしい親切と
愛情
(
あいじょう
)
であった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
……
少
(
すこ
)
しばかり
巾着
(
きんちやく
)
から
引
(
ひき
)
だして、
夫人
(
ふじん
)
にすゝむべく
座布團
(
ざぶとん
)
を
一枚
(
いちまい
)
こしらへた。……お
待遠樣
(
まちどほさま
)
。——これから
一寸
(
ちよつと
)
薄
(
うす
)
どろに
成
(
な
)
るのである。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
或
(
あ
)
る
騎兵大隊長
(
きへいだいたいちょう
)
の
夫人
(
ふじん
)
に
変者
(
かわりもの
)
があって、いつでも
身
(
み
)
に
士官
(
しかん
)
の
服
(
ふく
)
を
着
(
つ
)
けて、
夜
(
よる
)
になると
一人
(
ひとり
)
で、カフカズの
山中
(
さんちゅう
)
を
案内者
(
あんないしゃ
)
もなく
騎馬
(
きば
)
で
行
(
ゆ
)
く。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『えゝ、
無責任
(
むせきにん
)
なる
船員
(
せんいん
)
!
卑劣
(
ひれつ
)
なる
外人
(
くわいじん
)
!
海上
(
かいじやう
)
の
規則
(
きそく
)
は
何
(
なん
)
の
爲
(
ため
)
ぞ。』と
悲憤
(
ひふん
)
の
腕
(
うで
)
を
扼
(
やく
)
すと、
夫人
(
ふじん
)
の
淋
(
さび
)
しき
顏
(
かほ
)
は
私
(
わたくし
)
に
向
(
むか
)
つた、
沈
(
しづ
)
んだ
聲
(
こゑ
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
病人
(
びやうにん
)
はK
夫人
(
ふじん
)
の
顏
(
かほ
)
の
下
(
した
)
で、
小兒
(
こども
)
のやうに
顎
(
あご
)
で
頷
(
うなづ
)
いて
見
(
み
)
せた。
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
へ
一束
(
ひとたば
)
にした
髮
(
かみ
)
が、
彼女
(
かのぢよ
)
を一
層
(
そう
)
少女
(
せうぢよ
)
らしく
痛々
(
いた/\
)
しく
見
(
み
)
せた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
牧師
(
ぼくし
)
は、
夫人
(
ふじん
)
の言うとおりに、はっきり足音がしているのをきくと、さっとガウンをはおりスリッパをつっかけて
部屋
(
へや
)
をでた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
『
夫人
(
ふじん
)
は
牢屋
(
らうや
)
に
居
(
ゐ
)
る』と
云
(
い
)
つて
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
死刑執行者
(
しけいしつかうしや
)
に、『
此處
(
こゝ
)
へ
伴
(
つ
)
れて
參
(
まゐ
)
れ』
乃
(
そこ
)
で
其
(
そ
)
の
死刑執行者
(
しけいしつかうしや
)
が
箭
(
や
)
の
如
(
ごと
)
く
走
(
はし
)
り
去
(
さ
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
所の
伝
(
つた
)
へに大なるを
時平
(
しへい
)
の塚とし、小なるを時平の
夫人
(
ふじん
)
の塚といふ。時平大臣夫婦の塚此地に
在
(
ある
)
べき
由縁
(
いはれ
)
なきことは論におよばざる
俗説
(
ぞくせつ
)
なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
この
夫人
(
ふじん
)
も
美
(
うつく
)
しいが、LI
子
(
こ
)
がゐたら、これも一
際
(
きわ
)
目
(
め
)
に
立
(
た
)
つであらうことを
想像
(
そうぞう
)
したりしたが、しかし
今夜
(
こんや
)
LI
子
(
こ
)
のゐないことは
反
(
かへ
)
つて
自由
(
じゆう
)
であつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
カピューレット
長者
(
ちゃうじゃ
)
寢衣
(
ねまき
)
のまゝにて、
其
(
その
)
妻
(
つま
)
カピューレット
夫人
(
ふじん
)
はそれを
止
(
とゞ
)
めつゝ、
出
(
で
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
處
(
ところ
)
で周三が家庭に於ける立場である。
自體
(
じたい
)
彼は
子爵
(
ししやく
)
勝見家
(
かつみけ
)
に生まれたのでは無い。成程
父
(
ちゝ
)
子爵
(
ししやく
)
は、彼の
父
(
ちち
)
には違ないが、
母
(
はは
)
夫人
(
ふじん
)
は違ツた
間
(
なか
)
だ。彼は父子爵の
妄
(
めかけ
)
の]
腹
(
はら
)
に出來た子で、所謂
庶子
(
しよし
)
である。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
それをミリガン
夫人
(
ふじん
)
やアーサに知られることを
好
(
この
)
まなかった。それを知られたら、あの人たちはわたしをきらうようになるだろう。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
妙齡
(
としごろ
)
に
至
(
いた
)
らせ
給
(
たま
)
ひなば、あはれ
才徳
(
さいとく
)
かね
備
(
そな
)
はり、
希有
(
けう
)
の
夫人
(
ふじん
)
とならせ
給
(
たま
)
はん。
即
(
すなは
)
ち、
近
(
ちか
)
ごろの
流行
(
りうかう
)
の
良妻賢母
(
りやうさいけんぼ
)
にましますべし。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『でも、お
前
(
まへ
)
!』と
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は
云
(
い
)
つて、『
何事
(
なにごと
)
でも
徳義
(
とくぎ
)
で
持
(
も
)
つてるのさ、よく
氣
(
き
)
をつけて
御覽
(
ごらん
)
』
夫人
(
ふじん
)
は
尚
(
な
)
ほも
愛
(
あい
)
ちやんの
傍
(
そば
)
へ
近寄
(
ちかよ
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ホールとホール
夫人
(
ふじん
)
がおそい
昼食
(
ちゅうしょく
)
をとっていると、その
部屋
(
へや
)
からいらいらと歩きまわる
客
(
きゃく
)
の
足音
(
あしおと
)
がひびき、そのうちにはげしい
怒
(
いか
)
り
声
(
こえ
)
とともに
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
私
(
わたくし
)
は
宙
(
ちう
)
を
飛
(
と
)
んで
船室
(
せんしつ
)
の
方
(
かた
)
に
向
(
むか
)
つた。
昇降口
(
しようかうぐち
)
のほとり、
出逢
(
であ
)
ひがしらに、
下方
(
した
)
から
昇
(
のぼ
)
つて
來
(
き
)
たのは、
夫人
(
ふじん
)
と
少年
(
せうねん
)
とであつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
時平
或日
(
あるひ
)
国経
(
くにつね
)
の
許
(
もと
)
に
宴
(
えん
)
し、
酔興
(
すゐきやう
)
にまぎらして
夫人
(
ふじん
)
を
貰
(
もら
)
はんといひしを、国経も
酔
(
ゑひ
)
たれば
戯言
(
たはぶれごと
)
とおもひてゆるしけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
西
(
にし
)
の
空
(
そら
)
はいま、
血
(
ち
)
みどろな
沼
(
ぬま
)
のやうに、まつ
紅
(
か
)
な
夕
(
ゆふ
)
やけに
爛
(
たゞ
)
れてゐた。K
夫人
(
ふじん
)
は
立
(
た
)
つて
西窓
(
にしまど
)
のカーテンを
引
(
ひ
)
いた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
話
(
はなし
)
に
聞
(
き
)
くと、
何
(
なん
)
でも
韃靼人
(
だったんじん
)
の
村
(
むら
)
に、その
夫人
(
ふじん
)
と、
土地
(
とち
)
の
某公爵
(
ぼうこうしゃく
)
との
間
(
あいだ
)
に
小説
(
しょうせつ
)
があったとのことだ、とかと。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
調子
(
てうし
)
づいた
独唱
(
どくせう
)
が二つばかりつづいた。そして
前
(
まえ
)
に
叙事詩
(
じよじし
)
のやうなものを
朗読
(
らうどく
)
した
多分
(
たぶん
)
代理大使
(
だいりたいし
)
の
夫人
(
ふじん
)
だとおもはるゝ
婦人
(
ふじん
)
が
其後
(
そのあと
)
で又
舞台
(
ぶたい
)
のうへで
朗読
(
らうどく
)
をはじめた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
カピューレット
長者
(
ちゃうじゃ
)
を
先
(
さき
)
に、
同
(
おな
)
じく
夫人
(
ふじん
)
、
乳母
(
うば
)
、
并
(
なら
)
びに
下人
(
げにん
)
甲
(
かふ
)
、
乙
(
おつ
)
、
從
(
つ
)
いて出る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「あなたはなにもこわがることはないのよ」とミリガン
夫人
(
ふじん
)
は
優
(
やさ
)
しく言った。「ここへおいで。あなたの手をわたしの手にお
置
(
お
)
きなさい」
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
博士
(
はかせ
)
が
旅行
(
たび
)
をした
後
(
あと
)
に、
交際
(
つきあひ
)
ぎらひで、
籠勝
(
こもりが
)
ちな、
此
(
こ
)
の
夫人
(
ふじん
)
が
留守
(
るす
)
した
家
(
いへ
)
は、まだ
宵
(
よひ
)
の
間
(
ま
)
も、
實際
(
じつさい
)
蔦
(
つた
)
の
中
(
なか
)
に
所在
(
ありか
)
の
知
(
し
)
るゝ
山家
(
やまが
)
の
如
(
ごと
)
き、
窓明
(
まどあかり
)
。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時平
或日
(
あるひ
)
国経
(
くにつね
)
の
許
(
もと
)
に
宴
(
えん
)
し、
酔興
(
すゐきやう
)
にまぎらして
夫人
(
ふじん
)
を
貰
(
もら
)
はんといひしを、国経も
酔
(
ゑひ
)
たれば
戯言
(
たはぶれごと
)
とおもひてゆるしけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
運河
(
うんが
)
の岸を歩きながら、わたしはたびたびミリガン
夫人
(
ふじん
)
と、アーサと、それからかれらの美しい
小舟
(
こぶね
)
のことを思い出していた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
その
角
(
かく
)
はま、と
夫人
(
ふじん
)
とに、
紹介状
(
せうかいじやう
)
を
頂戴
(
ちやうだい
)
して、
春葉
(
しゆんえふ
)
と
二人
(
ふたり
)
で
出
(
で
)
かけた。あゝ、この
紹介状
(
せうかいじやう
)
なかりせば……
思
(
おも
)
ひだしても、げつそりと
腹
(
はら
)
が
空
(
す
)
く。……
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此人の
乱行
(
らんぎやう
)
の一ツを
言
(
いは
)
ば、
叔父
(
をぢ
)
たる大納言
国経卿
(
くにつねきやう
)
は
年老
(
としおい
)
、
叔母
(
をば
)
たる北の方は年若く
業平
(
なりひら
)
の
孫女
(
まごむすめ
)
にて
絶世
(
ぜつせい
)
の
美人
(
びじん
)
なり。時平是に
恋々
(
れん/\
)
す、
夫人
(
ふじん
)
もまた
夫
(
をつと
)
の
老
(
おい
)
たるを
嫌
(
きら
)
ふの心あり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「ぼくたちはミリガン
夫人
(
ふじん
)
を
探
(
さが
)
しながら、あの人たちにも会える。
運河
(
うんが
)
をのぼって行きながらとちゅう止まってリーズをたずねることができる」
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
振離
(
ふりはな
)
すと、
床
(
ゆか
)
まで
落
(
お
)
ちず、
宙
(
ちう
)
ではらりと、
影
(
かげ
)
を
亂
(
みだ
)
して、
黒棚
(
くろだな
)
に、バツと
乘
(
の
)
る、と
驚駭
(
おどろき
)
に
衝
(
つ
)
と
退
(
すさ
)
つて、
夫人
(
ふじん
)
がひたと
遁構
(
にげがま
)
への
扉
(
ひらき
)
に
凭
(
もた
)
れた
時
(
とき
)
であつた。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此人の
乱行
(
らんぎやう
)
の一ツを
言
(
いは
)
ば、
叔父
(
をぢ
)
たる大納言
国経卿
(
くにつねきやう
)
は
年老
(
としおい
)
、
叔母
(
をば
)
たる北の方は年若く
業平
(
なりひら
)
の
孫女
(
まごむすめ
)
にて
絶世
(
ぜつせい
)
の
美人
(
びじん
)
なり。時平是に
恋々
(
れん/\
)
す、
夫人
(
ふじん
)
もまた
夫
(
をつと
)
の
老
(
おい
)
たるを
嫌
(
きら
)
ふの心あり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「
夫人
(
ふじん
)
、あなたの御病気はそんな手軽いのではありません。肉を
殺
(
そ
)
いで、骨を削るのです。ちっとの間御辛抱なさい」
外科室
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ふと
蓮葉
(
はすは
)
に、ものを
言
(
い
)
つて、
夫人
(
ふじん
)
はすつと
立
(
た
)
つて、
對丈
(
つゐたけ
)
に、
黒人
(
くろんぼ
)
の
西瓜
(
すゐくわ
)
を
避
(
さ
)
けつゝ、
鸚鵡
(
あうむ
)
の
籠
(
かご
)
をコト/\と
音信
(
おとづ
)
れた。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
所
(
ところ
)
で、
夫人
(
ふじん
)
を
迎
(
むか
)
へたあとを、そのまゝ
押入
(
おしいれ
)
へ
藏
(
しま
)
つて
置
(
お
)
いたのが、
思
(
おも
)
ひがけず、
遠
(
とほ
)
からず、
紅葉先生
(
こうえふせんせい
)
の
料
(
れう
)
に
用立
(
ようだ
)
つた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然
(
さ
)
りながら、
我
(
わ
)
が
君主
(
との
)
、
無禮
(
なめ
)
なる
儀
(
ぎ
)
には
候
(
さふら
)
へども、
此
(
こ
)
の
姫
(
ひめ
)
、
殿
(
との
)
の
夫人
(
ふじん
)
とならせたまふ
前
(
まへ
)
に、
餘所
(
よそ
)
の
夫
(
をつと
)
の
候
(
さふらふ
)
ぞや。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
同時
(
どうじ
)
に一
昨年
(
さくねん
)
の
冬
(
ふゆ
)
、
衣絵
(
きぬゑ
)
さん、
婿君
(
むこぎみ
)
のために
若奥様
(
わかおくさま
)
であつた、
美
(
うつく
)
しい
夫人
(
ふじん
)
がはかなくなつて
居
(
ゐ
)
る……
新仏
(
しんぼとけ
)
は、
夫人
(
ふじん
)
の三
年目
(
ねんめ
)
に、おなじ
肺結核
(
はいけつかく
)
で
死去
(
しきよ
)
したのであるが……
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あゝ、
下
(
した
)
じめよ、
帶
(
おび
)
よ、
消
(
き
)
えて
又
(
また
)
光
(
ひか
)
る
影
(
かげ
)
、
乳
(
ち
)
に
沁
(
し
)
むなり。
此
(
こ
)
の
君
(
きみ
)
、
其
(
そ
)
の
肌
(
はだ
)
、
確
(
たしか
)
に
雪
(
ゆき
)
。ソロモンと
榮華
(
えいぐわ
)
を
競
(
きそ
)
へりとか、
白百合
(
しらゆり
)
の
花
(
はな
)
も
恥
(
は
)
づべき
哉
(
かな
)
。
否
(
いな
)
、
恥
(
はぢ
)
らへるは
夫人
(
ふじん
)
なり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夫
常用漢字
小4
部首:⼤
4画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“夫人”で始まる語句
夫人様
夫人廟
夫人等
夫人交際
夫人同士
夫人帯同