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背後
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あと
ふりがな文庫
“
背後
(
あと
)” の例文
彼はそこまで行くと、園内の
賑
(
にぎや
)
かさを
背後
(
あと
)
にして、塗りつぶしたような
常緑樹
(
じょうりょくじゅ
)
の繁みに対して腰を下した。
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
頼春の危険を助けようとして、馳せつけ身を挺した小次郎は、刀も抜かず
背後
(
あと
)
へさがり、身をそむけ眼をそらし、頼春は差しつけた刀を引いて、これは憎悪の切歯をした。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『ドツコイシヨ。』と許り、元吉は俥を
曳出
(
ひきだ
)
す。二人は
其
(
その
)
背後
(
あと
)
を見送つて
呆然
(
ぼんやり
)
立つてゐた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
もうそうなりますとね、一人じゃ先へ立つのも
厭
(
いや
)
がりますから、そこで私が案内する、と
背後
(
あと
)
からぞろぞろ。その晩は、鶴谷の
檀那寺
(
だんなでら
)
の
納所
(
なっしょ
)
だ、という悟った禅坊さんが一人。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そうした昂作の姿は、往来の人眼を
惹
(
ひ
)
くのに充分であった。
背後
(
あと
)
から
跟
(
つ
)
いて来る子供の数が一足毎に増えて来た。前にまわって入れ代り立ち代り昂作の顔を覗き込む子供もあった。
童貞
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
その音は、今井と僕との
永久
(
とわ
)
の別れを告げる悲しい響きであった。年上の娘は、顔を両手で隠して
慟哭
(
どうこく
)
した。人々は
愁然
(
しゅうぜん
)
として、墓場の
黄昏
(
たそがれ
)
を
背後
(
あと
)
にしながら、桜堂の山を下った——。
友人一家の死
(新字新仮名)
/
松崎天民
(著)
豆府屋の
親仁
(
おやじ
)
が、売声をやめて、このきらびやかな一行に
見惚
(
みと
)
れた体で、
背後
(
あと
)
に廻ったり、横に出たり、ついて離れて
歩行
(
ある
)
くのが、この時一度
後
(
うしろ
)
へ
退
(
しざ
)
った。またこの親仁も妙である。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
宰八の
背後
(
あと
)
から、もう一人。
杖
(
ステッキ
)
を突いて続いた紳士は、村の学校の訓導である。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“背後”の意味
《名詞》
背 後(はいご)
後。背の方向。後方。
直接表面には現れない陰の面。特に黒幕のこと。
(出典:Wiktionary)
背
常用漢字
小6
部首:⾁
9画
後
常用漢字
小2
部首:⼻
9画
“背後”で始まる語句
背後向
背後姿
背後手
背後袈裟
背後楯
背後状
背後影
背後態
背後抱
背後指