“背後手”の読み方と例文
読み方割合
うしろで100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渋江典膳とお浦とが背後手うしろでくくられ、高くはりに釣り下げられてい、その下に立った五郎蔵一家の用心棒の、望月角右衛門が、木刀で、男女ふたりを撲っているではないか。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
壁辰も、ニコニコしてそこの茶の間の前を通り、台所へ這入ったのだが! するすると背後手うしろでに境いの板戸を閉め切ると同時に、壁辰、顔いろを変えて、あわて出した。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
海から昇った真紅まっか朝陽あさひが長者の家の棟棟むねむねを照らしておりました。背後手うしろでに縛られた壮い男は、見張の男に引摺ひきずられて母屋おもや庭前にわさきへはいって来て、土の上に腰をおろしました。
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)