“うしろすがた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
後姿84.3%
背姿6.7%
背後姿5.6%
後形1.1%
後貌1.1%
背後1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
取残された兼太郎は呆気あっけに取られて、寒月の光に若い男女がたがいに手を取り肩を摺れあわして行くその後姿うしろすがたと地にくその影とを見送った。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
鶴沢宮歳つるさわみやとしとあるのを読んで、ああ、お師匠さん、と思う時、名の主は……早や次の葭戸越よしどごし背姿うしろすがたに、うっすりと鉄瓶の湯気をかけて、一処ひとところ浦の波が月に霞んだようであった。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その三品みしなを新聞紙に包んで押収した係官の一行の背後姿うしろすがたを、区長も、青年も土のように血の気をうしなったまま見送っていた。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
二階へ上って行く後形うしろすがたを見ると、スラリとしていい姿です。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
足寄橋にて別れて餘作が後貌うしろすがたはるかに眺めて一層の脱力を覚えたるも、しいて歩行し、漸く西村氏に泊す。此際に近藤味之助こんどうあじのすけ氏は学校に在勤して慰めくれたり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
吾輩は呆気あっけに取られてその背後うしろすがたを見送った。頭のしんがジイーンと鳴り出したような気がした。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)