“ねず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
不寝26.5%
23.5%
杜松17.6%
根津8.8%
鼠色8.8%
不寢5.9%
念珠2.9%
2.9%
𣜌2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
他に恩返おんげえしの仕様がねえから、旦那様を大切でえじに思って、不寝ねずに奉公する心得だが、貴方あんたは今の若さで遊んでいずに、何処かへ奉公でもしたら宜かろう
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私は洋服であつたが、種田君は其頃紳士仲間に流行はやつた黒の繻子目しゆすめのマントを着て、舶来はくらいねず中折帽なかをればうかぶつて居た。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
そのとき杜松ねずがザワザワとうごして、えだえだが、まるでってよろこんでいるように、いたり、はなれたり、しました。
寛文二年印本『江戸名所記』に根津ねず権現ごんげん社は大黒神を祭るなり、根津とは鼠のいわれにて、鼠は大黒神の使者なれば絵馬などにも多く鼠をきたりとあって、不寝ねず権現と書せり
眼鏡もひげもなく、毬栗いがぐり頭で、黒の背広に鼠色ねずのネクタイという、誠に平凡な外貌ようすの山井検事が、大兵肥満で、ガッシリした、実行力に富む署長と、相対した時には、佳いコントラストを為した。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
その上、燈明はけたまゝ、二人の小僧が、不寢ねずの番をして見張つて居りました。
銭形平次捕物控:274 贋金 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
磐城の連山の雲霧の彼方かなたに、安達ヶ原がある、陸奥みちのくのしのぶもじずりがある、白河の関がある、北海の波に近く念珠ねずせきもなければならぬ。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その雪峰の前を通りだんだん進んで谷間に降りますとその谷間の岩の間にもまたねずの古木が生えて居りますがそのは実に美しいです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
檜木ひのきさはら明檜あすひまき𣜌ねず——それを木曾きそはうでは五木ごぼくといひまして、さういふえたもりはやしがあのふか谷間たにあひしげつてるのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)