トップ
>
不寝
>
ねず
ふりがな文庫
“
不寝
(
ねず
)” の例文
旧字:
不寢
一刻
(
いっとき
)
ばかりたつと、どこの部屋もあらかた寝静まったらしく、風呂の湯を落す音と、
不寝
(
ねず
)
の番のあくびよりほかは聞こえなくなる。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
他に
恩返
(
おんげえ
)
しの仕様がねえから、旦那様を
大切
(
でえじ
)
に思って、
不寝
(
ねず
)
に奉公する心得だが、
貴方
(
あんた
)
は今の若さで遊んでいずに、何処かへ奉公でもしたら宜かろう
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それが何であるかは無論わからなかったが——その解決出来ないものが、彼をこうして
不寝
(
ねず
)
の番たらしめている。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
寛文二年印本『江戸名所記』に
根津
(
ねず
)
権現
(
ごんげん
)
社は大黒神を祭るなり、根津とは鼠の
謂
(
いわ
)
れにて、鼠は大黒神の使者なれば絵馬などにも多く鼠を
画
(
か
)
きたりとあって、
不寝
(
ねず
)
権現と書せり
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
不寝
(
ねず
)
の
看
(
み
)
とりで引取ってしまいましたが、今ではどうなっておりますか。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
乱松
(
らんしょう
)
の間から高く
聳
(
そび
)
えているのは
汐見櫓
(
しおみやぐら
)
、番所の
灯
(
ひ
)
がチラチラと水に赤い影を
縒
(
よ
)
らせ、
不寝
(
ねず
)
の番が見張っている。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「自分、考えますのに、われらの力で防ぐよりほかに致しかたもございますまい、作事場のあいだに見張り小屋を設けて、三四人交替に
不寝
(
ねず
)
の番をつかまつる、手にあまれば——」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
頭取下役
(
とうどりしたやく
)
という事に成りましたが、更に
謟
(
へつら
)
いを致しませんが、堅い気象ゆえ、毎夜人知れず刀を差し、棒を提げて
密
(
そ
)
っと殿様のお居間の
周囲
(
まわり
)
を三度ずつ
不寝
(
ねず
)
に廻るという忠実なる事は
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
まどろみかけるひまもなく、宮のそばに近くいる
不寝
(
ねず
)
ノ番の一将が来て、またぞろ、彼の神経を
研
(
と
)
がせた。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「火の手が見えます!」と
不寝
(
ねず
)
の番に起され、はじめて烏巣の方面の赤い空を見た。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不寝
(
ねず
)
の番をしていた
徐晃
(
じょこう
)
、
張遼
(
ちょうりょう
)
の二将が、すぐ本陣から様子を見に駆けだしてみると、呉の船団が、
突忽
(
とっこつ
)
と、夜靄を破って現れ、今し水寨へ迫ってきた——とのことに、張遼、徐晃は驚いて
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不寝
(
ねず
)
の番の武士であろう。ジ——と隙をうかがって
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
寝
常用漢字
中学
部首:⼧
13画
“不寝”で始まる語句
不寝番