“鼠色(ねずみ)” の例文
余りの有難さに自分(おのれ)もまた涙聊か誘はれぬ、さて美しき姫は亡せ果てたり、美しき尼君は生(な)り出で玉ひぬ、青〻としたる寒げの頭(かしら)、鼠色(ねずみ)の法衣(ころも)、小き数珠(ずゞ)、殊勝なること申すばかり無し
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
この盆にもこの正月にも心付けしてくれたお吉と気がついて八五郎めんくらい、素肌に一枚どてらの袵(まえ)広がって鼠色(ねずみ)になりしふんどしの見ゆるを急に押し隠しなどしつ、親分、なんの、あの
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
よほど濃い鼠色(ねずみ)に暮れて来た、その水の中からふっと何か出ました。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
此盆にも此の正月にも心付して呉れたお吉と気がついて八五郎めんくらひ、素肌に一枚どてらの袵(まへ)広がつて鼠色(ねずみ)になりし犢鼻褌(ふんどし)の見ゆるを急に押し隠しなどしつ、親分、なんの、あの、なんの姉御だ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)