期待きたい)” の例文
たちまち、縣下けんか豐岡川とよをかがは治水工事ちすゐこうじ第一期だいいつき六百萬圓ろつぴやくまんゑんなり、とむねらしたから、ひとすくみにつて、内々ない/\期待きたいした狐狸きつねたぬきどころの沙汰さたでない。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
造物主から受けた功徳くどくに、利息をつけて後代に伝える責任を、子供に期待きたいすることは愚なことかも知れないが、事実そんな期待をいだいている。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
だがおれは期待きたいする、おほくのおまへ仲間なかまは、やがてじうを×(20)に×(21)ひ、けんうしろに×(22)
叔父をぢはらつたと地面ぢめん家作かさくいても、もとよりおほくの期待きたいつてゐなかつた。時々とき/″\かんがしたやう
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
期待きたいしてあるものにはかうばられたやう絶望ぜつばうとが混淆こんかう紛糾ふんきうした自暴自棄やけ態度たいどもつておつぎをめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それは宜いとして叔母さんの八五郎に對する期待きたいは、かくの如く重大だつたのです。
四年もいた小林先生のあとなので、子どもたちの好奇心こうきしんはわくわくしていた。小林先生と別れてからも、みんなはまた、こんどくる先生の姿を前方に期待きたいしながら、作戦をこらした。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
しかし、きたほうおうさまは、なんとなく、それほどの期待きたいをされていませんでした。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
場面の變化が、希望の世界を開いて、私の才能がいつせいに動きだしてくるやうに思へた。それが期待きたいしてゐることを、明白にすることは出來なかつたけれども、何かしら樂しかつた。
そして、おくさんのねつ心な賛成さんせいた上で、くるしい内からやうやく工めんして、非常ひじやう期待きたいとともにもとめたのが、ちの一万二千三百七十五がうといふたつた一まいの、その△△債劵さいけんなのであつた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
またそれがこのみちにたずさわる方々かたがたわたくし期待きたいされるところかとぞんじます。むろん精神せいしん統一とういつして凝乎じっふかかんがめば、どんなむかし事柄ことがらでもはっきりおもすことができないではありませぬ。
すくなくもそのような結果けつかになるように期待きたいしてゐるものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
大衆たいしゅうはみなこの二日目に、多大な期待きたいをかけていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
計畫けいくわく抱負ほうふ期待きたいたいしたものであツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
と、にわかに空気をかえて、つぎの試合を期待きたいした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)