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ふしぎ
ふりがな文庫
“
奇異
(
ふしぎ
)” の例文
しかし、ここに
奇異
(
ふしぎ
)
というのは、間もなく横蔵の場合と、符合したかのように、慈悲太郎が悪疫にたおされてしまったからである。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
先頃村に火事が起きて、近所は丸焼に焼けてしまつたが、その
富豪
(
かねもち
)
の
邸
(
やしき
)
のみは
奇異
(
ふしぎ
)
と無事に助かつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それから年を經て、私はその
瀉
(
がた
)
のなかに「ムツゴロ」といふ
奇異
(
ふしぎ
)
な魚の棲息してゐることを知つた。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
それは何となしに猿に着物を着せたやうで、私には
奇異
(
ふしぎ
)
に感ぜられた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
現に、騎西家の人達は、その
奇異
(
ふしぎ
)
な
掟
(
おきて
)
の
因虜
(
とりこ
)
となって、いっかな涯しない、孤独と
懶惰
(
らんだ
)
の中で朽ちゆかうとしていたのであった。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
さうして
縁
(
ふち
)
の赤い黒表紙の讚美歌集をまさぐりながらそのまま
奇異
(
ふしぎ
)
な眠に落ちるのが常であつた。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その後貴女の
閨
(
ねや
)
を訪れた人も、コマンドルスキーの海底でこの世を去った艇長も、同様シュテッヘでありまして、しかもなお
奇異
(
ふしぎ
)
な事には
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
奇異
(
ふしぎ
)
なる新らしき
生活
(
いとなみ
)
に蛙らはとんぼがへりす。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
しかし、ここで
奇異
(
ふしぎ
)
は、南北の四谷怪談であるが、それだけは、かつてこの一座の舞台に上ったためしがなかったのである。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
どうしただか、これ、ふんとに
奇異
(
ふしぎ
)
だぞ
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
しかし、ここになによりまして
奇異
(
ふしぎ
)
なのは、そこ一帯の風物から、なんとも云えぬ異様な色彩が眼を打ってくることだった。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
臭
(
にほひ
)
の
奇異
(
ふしぎ
)
な
汗
(
あせ
)
ばみ、その
上
(
うへ
)
にさしかくる
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
となおもヴィデが、
奇異
(
ふしぎ
)
な比喩めいた言葉を云いつづけようとした時、一人の私服が、詳細な屍体検案書を手に入って来た。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
人間心理の
奇異
(
ふしぎ
)
な機構が、ついに時江を誤殺した——その一筋の意識も、ほどなく滝人には感じられなくなってしまった。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ああ、それが淡路君なんでしたか。それなら、何もそう、
奇異
(
ふしぎ
)
がる理由はない訳じゃありませんか。きっと、あの男ですよ——貴女にそう云う
悪戯
(
いたずら
)
を
オフェリヤ殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
四人は、
噛
(
か
)
みかけた
維納腸詰
(
ウイン・ソーセージ
)
を
嚥
(
の
)
み下すこともできず、しばらくは、
奇異
(
ふしぎ
)
な、
浪漫的
(
ロマンチック
)
な、悪夢のなかを
彷徨
(
さまよ
)
っていた。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
法水君、この自殺の
奇異
(
ふしぎ
)
な点だけは、君が、十八番のストイック
頌讃歌
(
パニジリック
)
からショーペンハウエルまで持ち出してきても、恐らく説明はつかんと思うね。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
そうでなくてさえ儀右衛門は、そうと知ってからというもの、双体畸形特有の、
奇異
(
ふしぎ
)
な心理に翻弄されはじめた。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ところで、それについて、ぜひにも貴方の御助力が必要になりましてな。実を云うと、その底深い淵の中から、
奇異
(
ふしぎ
)
な童謡が響いてくるのを聴いたのでしたよ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
しかし、いま考えると、それがディグスビイの印らしいので、それから推すとたぶんこの
葬龕
(
カタファルコ
)
も、あの男の
奇異
(
ふしぎ
)
な趣味と、病的な性格を語るものに相違ないのだよ
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
また、それが、妙に自分とばかり通い合う、
奇異
(
ふしぎ
)
な存在ではないかとも考えられてきた。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ところが、どんな都市でも、その切り口を跨いだあたりに
奇異
(
ふしぎ
)
な街があるのだ。
地虫
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
奇
常用漢字
中学
部首:⼤
8画
異
常用漢字
小6
部首:⽥
11画
“奇異”で始まる語句
奇異雑談集
奇異像