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稿
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こう
左の一篇は
木村芥舟翁の
稿に
係り、
時事新報に
掲載したるものなり。その文中、
瘠我慢の
説に
関係するものあるを以て、ここに
附記す。
お
蓮様の寮で柳生源三郎が剣豪
峰丹波一党にとりかこまれ、くら
闇の中に
命と頼む
白刃を
濡れ
真綿でからめられた「源三郎の
危機」から
稿をつづけるべきですが
しかしいずれも凡作見るに
堪えざる事を知って、
稿半にして筆を投じた
反古に過ぎない。この反古を取出して今更
漉返しの草稿をつくるはわたしの
甚忍びない所である。
と私は意地ずくにも
稿を起さなければならないことになった。