稿こう)” の例文
左の一篇は木村芥舟翁きむらかいしゅうおう稿こうかかり、時事新報じじしんぽう掲載けいさいしたるものなり。その文中、瘠我慢やせがまんせつ関係かんけいするものあるを以て、ここに附記ふきす。
蓮様れんさまの寮で柳生源三郎が剣豪峰丹波みねたんば一党にとりかこまれ、くらやみの中にいのちと頼む白刃はくじん真綿まわたでからめられた「源三郎の危機きき」から稿こうをつづけるべきですが
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
しかしいずれも凡作見るにえざる事を知って、稿こうなかばにして筆を投じた反古ほごに過ぎない。この反古を取出して今更漉返すきかえしの草稿をつくるはわたしのはなはだ忍びない所である。
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
と私は意地ずくにも稿こうを起さなければならないことになった。
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
おなじく二十九日にじゆうくにち安南沖あんなんおきぐるころ稿こうをはる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)