こう)” の例文
翌年ハイドンはアイゼンシュタットのエステルハツィこうに招かれて、礼拝堂の第二音楽長になり、その半生を託した地位におかれた。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
燕府えんふの将校官属を相せしめたもうに、珙一々指点して曰く、ぼうこうたるべし、某はこうたるべし、某は将軍たるべし、某は貴官たるべしと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その黒いむく毛のわかいハイカラさんは、ゼルビノこうですが、これは優美ゆうびという意味で、よく様子をごらんなさい、いかにもその名前のとおりだ。
わたくしはの人で、こうという姓の者でございます。父はこころざしの高い人物として、湘楚しょうそのあいだに知られて居りましたが、山林に隠れて富貴栄達ふっきえいたつを望みませんでした。
「おおさ、いまでこそ浪々の身だが、昨日までは、五こうの一人楊令公ようれいこう末裔まつえいとして、徽宗きそう現皇帝の旗本にも列せられた武士中の武士だ。もしそれだったら、どうだというのか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
再び傳吉ならびにお專與惣次よそうじ評定所ひやうぢやうしよへ呼出され大岡こう如何に傳吉其方は何故くらき夜に提灯ちやうちんをもつけずして猿島さるしま河原をとほりしやと尋問じんもんせらるゝに傳吉先日申上げ奉つりし如く前夜專事せんことあしき夢を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
姓はこう、名は婉妗えんせん、などと見えすいた好い加減なことを答えるよりは面倒だから、其儘そのままにして置こう。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)