こう)” の例文
こう怨毒えんどくいずれに向かってか吐き尽くすべきみちを得ずば、自己——千々岩安彦が五尺のまず破れおわらんずる心地ここちせるなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
子供、子供と今が今まで高をくくりし武男に十二分に裏をかかれて、一こう憤怨ふんえんほのおのごとく燃え起こりたる千々岩は、切れよとくちびるをかみぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)