こう)” の例文
その仲間の頭目はこう六一と言ってね。——ああ、そいつも斬られたんだ。——これが又右の手には小銃を持ち、左の手にはピストルを
湖南の扇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
黄蓋の乗った旗艦には、特に「こう」の字を印した大旗をひるがえし、その余の大船小艇にも、すべて青龍の牙旗がきを立てさせていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日の状態は独りえん世凱せいがい〕政府たるがためのみでなく、袁ほろんでそんぶん〕が立とうが、こうこう〕が立とうが、誰が立とうとも同一である。
三たび東方の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
そこは、命令をうけても新任の守備隊長のもとへ、出頭しようともしない、こう中尉という乱暴者が守備していた。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
それはこうという吏部りぶの官にいる者の牛飼うしかいが、牛をいて周の家の田の中を通ったのがもとで、周の家の下男といいあらそいになり、それを走っていって主人に告げたので
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
宗立本そうりゅうほんとうこう県の人で、父祖の代から行商をいとなんでいたが、年のけるまで子がなかった。
「遠く、後方から来る一船団のうちの大船には、『こう』の字を印した大旗が翩翻へんぽんと立ててあるように見えまする」と、告げた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無論、こう中尉の一件を知っている新しい部下は、彼に対して実に忠実である。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
「これか? これは唯のビスケットだがね。………そら、さっきこう六一と云う土匪どひの頭目の話をしたろう? あの黄の首の血をしみこませてあるんだ。これこそ日本じゃ見ることは出来ない。」
湖南の扇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
主人のこう吏部は周の家の下男をとらえて村役人に送った。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
こうは、うやうやしげに押しいただき、さい大臣の返翰へんかんを読み初めていたが、鋭い目が、やがて再三、再四と、その小首をかしげさせ、ついに思いきった風でいった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おい、あの軍曹じゃないか、こう中尉をやっつけた」
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)