こう)” の例文
こうに、「御字を補ひつ」と云ったのはほしいままに過ぎた観があってもあるいは真相を伝えたものかも知れない。「中大兄三山歌」(巻一・一三)でも「御」の字が無い。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
年二十。こう既ニ亡シ。マサニ遺命ヲ奉ジテ遊学セントスルヤ、コレヲ戒メテ曰クワガ門なかゴロ𡉏やぶル。なんじまさニ勉学シテ再興スベシ。然ラザレバワレ汝ヲ子視セジト。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ぼくはきみの苦しい立場は十分に同情する、けれど一こうしてくれたまえ。いま大統領の重位にあるきみが、元気のない顔を見せると、一同はよけいに落胆らくたんしてしまう。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
この歌で、「語らひて遣りつ」の句は、まことに働きのあるものである。訓は大体こう略解りゃくげに従った。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
初め大海人皇子おおあまのみこ御婚みあいして十市皇女とおちのひめみこを生み、ついで天智天皇にちょうせられ近江京に行っていた。「かりいほ」は、原文「仮五百かりいほ」であるが真淵のこうでは、カリホと訓んだ。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)