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恁
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こう
ふりがな文庫
“
恁
(
こう
)” の例文
高
(
たか
)
が少尉の月給で女房を食わして行けようがねえ。とまあ
恁
(
こう
)
云う返答だ。うん、然うだったか。それなら何も心配することはねい。
躯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「はゝゝゝはゝ、いや、
恁
(
こう
)
又
(
また
)
ものも
汚
(
きたの
)
うなると、手がつけられぬから恐るゝことなし。はゝはゝこら、
何
(
ど
)
うぢやい。」と、ひよいと
躍
(
おど
)
つた。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
水入らずで、二人で
恁
(
こう
)
して働いている姉夫婦の貧しい生活が、今朝のお島の混乱した
頭脳
(
あたま
)
には
可羨
(
うらやま
)
しく思われぬでもなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
妻の働いているうちは、どうか
恁
(
こう
)
か
持堪
(
もちこた
)
えていた家も、古くから積り積りして来ている負債の
形
(
かた
)
に取られて、彼は
細
(
ささや
)
かな小屋のなかに、
辛
(
かろ
)
うじて生きていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
小いところから仕上げて大きくなって行った、
大店
(
おおだな
)
の成功談などに
刺戟
(
しげき
)
されると、彼女はどうでも
恁
(
こう
)
でもそれに取着かなくてはならないように心が
焦
(
いら
)
だって来た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
これが本葬で、香奠は
孰
(
どっち
)
にしても公に下るのが十五円と、
恁
(
こう
)
云う規則なんでござえんして……
躯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
どうにも
恁
(
こう
)
にも
足踠
(
あがき
)
が取れなくなって了ったものなんだ。
躯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
恁
漢検1級
部首:⼼
10画
“恁”を含む語句
恁麽
恁許
恁云
恁麼
恁々
恁懸
恁様
恁那
有恁
正当恁麼時