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雄々
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おお
ふりがな文庫
“
雄々
(
おお
)” の例文
こうして
見
(
み
)
る
清作
(
せいさく
)
さんは、じつにりっぱな
軍人
(
ぐんじん
)
でした。だから
町
(
まち
)
を
通
(
とお
)
ると、
男
(
おとこ
)
も
女
(
おんな
)
も
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
いて、その
雄々
(
おお
)
しい
姿
(
すがた
)
をながめたのです。
村へ帰った傷兵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
学者である以上、その態度は誠に立派なもので、
悉
(
ことごと
)
く書を信ぜば書無きに
如
(
し
)
かずといった孟子の
雄々
(
おお
)
しさを
髣髴
(
ほうふつ
)
させるのであります。
新案探偵法
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
また牡丹の牡は、春に根上からその芽が
雄々
(
おお
)
しく出るから、その字を用いたとある。つまり牡は、
盛
(
さか
)
んな意味として書いたものであろう。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
愛憎の心理の機微を公平に
捉
(
とら
)
え、人生の風波に
雄々
(
おお
)
しく耐えて、いっさいをほろ苦い微笑でつつもうとしているからだと思う。
「にんじん」とルナアルについて
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
うつくしき人はなかばのりいでたまいて、とある
蒔絵
(
まきえ
)
ものの手箱のなかより、
一口
(
ひとふり
)
の
守刀
(
まもりがたな
)
を取出しつつ
鞘
(
さや
)
ながら
引
(
ひき
)
そばめ、
雄々
(
おお
)
しき声にて
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
後の世の人は、この母上の皇后の、いろんな
雄々
(
おお
)
しい大きなお
手柄
(
てがら
)
をおほめ申しあげて、お名まえを特に
神功皇后
(
じんぐうこうごう
)
とおよび申しております。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
にも関らず、毎日、平然と奉行所に出仕して、あらゆる四囲の逆境と、おのれに打ち
剋
(
か
)
とうとしている姿は、何とも
雄々
(
おお
)
しいものでおざる。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兄と同じく
怜悧
(
れいり
)
であり、精神的には兄よりもいっそう鍛錬されいっそう
雄々
(
おお
)
しかったので——(男まさりのフランス婦人の多くは皆そうである)
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ラインハルト合唱団の「
吾等
(
われら
)
病める足を持ちて
雄々
(
おお
)
しくも急げり」(第七八番)(J八六四〇)、以上二枚は傑出したレコードと言えるだろう。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
命
(
みこと
)
は
日頃
(
ひごろ
)
の、あの
雄々
(
おお
)
しい
御気性
(
ごきしょう
)
とて「
何
(
な
)
んの
愚
(
おろ
)
かなこと!」とただ一
言
(
ごん
)
に
打
(
う
)
ち
消
(
け
)
して
了
(
しま
)
われましたが、ただいかにしても
打
(
う
)
ち
消
(
け
)
し
得
(
え
)
ないのは
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
葉子はだれにともなく手を合わして、一心に念じておいて、
雄々
(
おお
)
しく涙を押しぬぐうと、そっと座を立って、倉地の寝ているほうへと忍びよった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
真淵は
雄々
(
おお
)
しく強き歌を好み候へども、さてその歌を見ると存外に雄々しく強き者は少く、実朝の歌の雄々しく強きが如きは真淵には一首も見あたらず候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
石井氏は後日の健全な家庭をつくるためにと、綾之助を慰めておいて、
雄々
(
おお
)
しくも志望を米国へ
伸
(
のば
)
しに渡った。
竹本綾之助
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
そも一秒時ごとに、汝と遠ざかりまさるなりなど、われながら日頃の
雄々
(
おお
)
しき心は
失
(
う
)
せて、児を産みてよりは、世の常の婦人よりも
一層
(
ひとしお
)
女々
(
めめ
)
しうなりしぞかし。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
その機械は、やがて送信所に
据
(
す
)
えつけられ、全世界へ向って電波を出し始めるであろう。
大東亜戦争
(
だいとうあせんそう
)
を
闘
(
たたか
)
っている
雄々
(
おお
)
しい日本の叫びが、世界中に
撒
(
ま
)
き
散
(
ち
)
らされるのだ。
もくねじ
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
次第に成長するにつけ、
骨格
(
ほねぐみ
)
尋常
(
よのつね
)
の犬に
勝
(
すぐ
)
れ、
性質
(
こころばせ
)
も
雄々
(
おお
)
しくて、
天晴
(
あっぱ
)
れ頼もしき犬となりけり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
たった一つ残っているのは、人を
傷
(
きずつ
)
けないで、恋人を救う方法だ。昔からの女性が、この様な場合に、いつも選んだ
雄々
(
おお
)
しい方法だ。不二子も遂にその決心をかためた。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
都下砂村の有名な金魚飼育商の秋山が蘭鋳からその
雄々
(
おお
)
しい頭の
肉瘤
(
にくりゅう
)
を採り、
琉金
(
りゅうきん
)
のような体容の円美と
房々
(
ふさふさ
)
とした
尾
(
お
)
を採って、頭尾二つとも完美な新種を得ようとする
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
と吉左衛門は言って、その駒の
雄々
(
おお
)
しい
鬣
(
たてがみ
)
も、大きな目も、取りつく
蝿
(
はえ
)
をうるさそうにする
尻尾
(
しっぽ
)
までも、すべてこの世の見納めかとばかり、なおもよく見ようとしていた。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何という
雄々
(
おお
)
しいお心で御座いましょう。何という御親切で御座いましょう。もし私があの時に気絶せずにおりましたならば、どのような事になっておりましたでしょうか。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
なるほど
雄々
(
おお
)
しい美しい名には違いないが、それがややともするとうつろな人間の、しかもほんの上っ面に過ぎないような気がしてならない。さればといってどうすればいいか。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
空寒き
奥州
(
おうしゅう
)
にまで帰る事は
云
(
い
)
わずに
旅立
(
たびだち
)
玉う
離別
(
わかれ
)
には、
是
(
これ
)
を出世の
御発途
(
おんかどいで
)
と義理で
暁
(
さと
)
して
雄々
(
おお
)
しき
詞
(
ことば
)
を、口に云わする心が
真情
(
まこと
)
か、狭き女の胸に余りて案じ
過
(
すご
)
せば
潤
(
うる
)
む
眼
(
め
)
の、涙が無理かと
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
帰らぬ十二の
雄々
(
おお
)
しきみたまに
七里ヶ浜の哀歌
(新字新仮名)
/
三角錫子
(著)
うつくしき人はなかばのりいでたまひて、とある
蒔絵
(
まきえ
)
ものの手箱のなかより、
一口
(
ひとふり
)
の
守刀
(
まもりがたな
)
を
取出
(
とりだ
)
しつつ
鞘
(
さや
)
ながら
引
(
ひき
)
そばめ、
雄々
(
おお
)
しき声にて
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
胸から
喉
(
のど
)
もとにつきあげて来る冷たいそして熱い
球
(
たま
)
のようなものを
雄々
(
おお
)
しく飲み込んでも飲み込んでも涙がややともすると目がしらを熱くうるおして来た。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
真淵
(
まぶち
)
は
雄々
(
おお
)
しく強き歌を好み候えども、さてその歌を見ると存外に雄々しく強きものは
少
(
すくな
)
く、
実朝
(
さねとも
)
の歌の雄々しく強きがごときは真淵には一首も見あたらず候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
しかも身は平家の
重恩
(
ちょうおん
)
をうけているので、
雄々
(
おお
)
しくも、私情をすてて、老躯をここへ運んで来ておられる
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分
(
じぶん
)
たちのみじめな
生活
(
せいかつ
)
にくらべて、つねに、だれにすがるということなく、
自
(
みずか
)
らの
力
(
ちから
)
で、
海
(
うみ
)
や、
湖
(
みずうみ
)
や、
河
(
かわ
)
を
漁
(
あさ
)
り、
南
(
みなみ
)
から
北
(
きた
)
へ、
北
(
きた
)
から
南
(
みなみ
)
へと
渡
(
わた
)
って、
雄々
(
おお
)
しく
生活
(
せいかつ
)
する
温泉へ出かけたすずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
芸術に生き、芸術に滅びてもらいたかった。
雄々
(
おお
)
しく戦って、
痩枯
(
やせが
)
れた
躯
(
からだ
)
を舞台に横たえたとき、わたしたちはどんなに、どんなに彼女のために涙をおしまないだろう。讃美するだろう。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
両女の中の割合に心
雄々
(
おお
)
しきは
夫
(
おっと
)
の如き気風となり、
優
(
やさ
)
しき方は妻らしく、かくて
不倫
(
ふりん
)
の愛に楽しみ
耽
(
ふけ
)
りて、
永年
(
えいねん
)
の束縛を忘れ、一朝変心する者あれば、男女間における
嫉妬
(
しっと
)
の心を生じて
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
私は諸戸屋敷の自分の居間に帰るまでに、
雄々
(
おお
)
しくもこの様に心を
定
(
き
)
めた。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
葉子は倉地の最後の
一言
(
ひとこと
)
でその急所に触れられたのだった。葉子は倉地の目の前で見る見るしおれてしまった。泣くまいと
気張
(
きば
)
りながら幾度も
雄々
(
おお
)
しく涙を飲んだ。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
だれが
出
(
で
)
るかしれないけれど、あとは
腐
(
くさ
)
ってしまうだろう。しかし
出
(
で
)
たものは、
死
(
し
)
んだ
仲間
(
なかま
)
の
分
(
ぶん
)
も
生
(
い
)
きのびてしげって、
幾
(
いく
)
十
年
(
ねん
)
も、
幾
(
いく
)
百
年
(
ねん
)
も
雄々
(
おお
)
しく
太陽
(
たいよう
)
の
輝
(
かがや
)
く
下
(
した
)
で
華
(
はな
)
やかに
暮
(
く
)
らしてもらいたい。
明るき世界へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その花むこの
雄々
(
おお
)
しかった事、花よめの美しかった事は燕の早口でも申しつくせませんかった。
燕と王子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
ああ、まっすぐないい
木
(
き
)
だこと。
風
(
かぜ
)
にも、
雪
(
ゆき
)
にも
折
(
お
)
れないで、よく
育
(
そだ
)
ちましたね。ほんとうに
強
(
つよ
)
い、
雄々
(
おお
)
しい
若
(
わか
)
い
木
(
き
)
ですこと。どんなにこの
山
(
やま
)
の
上
(
うえ
)
に一
人
(
ひとり
)
で
立
(
た
)
っているのではさびしいでしょうね。
山の上の木と雲の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
レオは
雄々
(
おお
)
しくも裸かになって出て行った。さてレオが去った後、レオにかかる
苦行
(
くぎょう
)
を強いながら、何事もなげに居残ったこのフランシスを神は厳しく
鞭
(
むちう
)
ち給うた。眼ある者は見よ。
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
雄
常用漢字
中学
部首:⾫
12画
々
3画
“雄”で始まる語句
雄
雄鶏
雄渾
雄叫
雄弁
雄山
雄大
雄蕊
雄勁
雄利