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ふりがな文庫
“
偉
(
おお
)” の例文
あんな暗いじめじめしたところに居ながら、とあの細い茎や根のすみずみにまで行きわたって居る、生の力の
偉
(
おお
)
きなのにびっくりした。
日記:01 一九一三年(大正二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
しかも——彼の先見や誠忠をもってしても——この危機を救うことができなかった。時代の力、
偉
(
おお
)
きな大勢の推移、怖ろしいばかりである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その恋愛は先づ第一に自己の存在と他の人々の存在が真に
偉
(
おお
)
きく計りがたいものであるといふ感じを呼び醒ますものである。
恋愛と道徳
(新字旧仮名)
/
エレン・ケイ
(著)
その櫟は普通に老樹と云われるものよりも
抽
(
ぬき
)
んでて
偉
(
おお
)
きく高く
荒箒
(
あらぼうき
)
のような頭をぱさぱさと蒼空に突き上げて居た。
荘子
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
俗卑と凡雑と低吝とのいやしくもこれに入り込むことを拒み、その想いを
偉
(
おお
)
いならしめ、その夢を清からしめよ。夢見ることをやめたとき、その青春は終わるのである。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
▼ もっと見る
動くべき社会をわが力にて動かすが道也先生の天職である。高く、
偉
(
おお
)
いなる、
公
(
おおや
)
けなる、あるものの
方
(
かた
)
に一歩なりとも動かすが道也先生の使命である。道也先生はその他を知らぬ。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何物にも煩はされず、
偉
(
おお
)
きく、強く生きたいと云ふ事は、常に彼女の頭を去らぬ唯一の願ひであつた。その理想の生活が、ゴルドマンによつてどんなに強くはつきりと示された事であらう?
乞食の名誉
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
呂布の姿も、ひとたびこの馬上に仰ぎ直すと、日頃の彼とは、人間が変ったように、
偉
(
おお
)
きく見えるのも不思議だった。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
偉
(
おお
)
いなる本の一つだ。夜、十二時すぎ、湯浅さん着。やっと、やっと。
日記:10 一九二四年(大正十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
偉
(
おお
)
きな大方針で祈請すべきではないかと思います。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「聡明なお方に似あわず、
猜疑
(
さいぎ
)
はおふかいと聞いています。
偉
(
おお
)
きな人物にも、小さい愚は誰も持っているものだ」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見ると、あの三百余名の浪人中に、ひとりの
偉
(
おお
)
きな人物のいることが分った。それが存在する以上、内匠頭は死んでも、藩地は召上げられても、赤穂は滅亡したとはいえぬ
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが
偉
(
おお
)
きな人物は、どう呼んでも、依然、偉きな存在であることに少しの変りもなかった。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
建武
(
けんむ
)
の聖戦のかげにも、女性の力のどんなに
偉
(
おお
)
きかったかということだ。小楠公を生み育てたのも夫人なら、
良人
(
おっと
)
の正成公をして
後顧
(
こうこ
)
の
憂
(
うれ
)
いなく忠戦させたのも夫人の内助だ。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何を苦しんで今日まで、さかしらな顔してこの
偉
(
おお
)
いなる
大人
(
おとな
)
にたてを突いて来ただろうか。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
北の
政所
(
まんどころ
)
もあるかなしかのように、淀君の勢力は、自然大坂城に
偉
(
おお
)
きなものとなった。
日本名婦伝:太閤夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まあよい。追々と、主従といったことになろう。藤吉郎がもそっと
偉
(
おお
)
きくなればな」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
恋のみが青春を燃やすものかは! ——時代は今、
偉
(
おお
)
きな
潮
(
うしお
)
の手を挙げて、世の
若者輩
(
わかものばら
)
を呼んでいるのだ。路傍の花に眼をくれるな! 日を惜しめ、そしてこの潮に乗りおくれるな! と。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでいて、
廊
(
ろう
)
の天井へいっぱいになるほど、
偉
(
おお
)
きく見えるのであった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小心なと、反省もしてみるが、無視するには、義経の天質が
偉
(
おお
)
きすぎる。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——そうだ、良人が仏と一体な心になるなら、自分も仏と一体にならなければならない。良人が
偉
(
おお
)
きくなってゆくのに、自分が取り残されてはならない」持仏堂の
御燈火
(
みあかし
)
の油を見まわって、彼女は
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
老公の
偉
(
おお
)
きな
手
(
て
)
のみがよく無事に救い得たといってもいい。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——勝ちがたきは避け、勝ちやすきに勝つ。……これは兵法の当然だ。手段のためには、信義も何もないようだが、本来、われわれはもっと
偉
(
おお
)
きな終局の目標へ向って戦っている筈である。私情の忍びがたきものも、そのためには、忍ばなければなるまい」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
偉
常用漢字
中学
部首:⼈
12画
“偉”を含む語句
偉大
魁偉
偉丈夫
容貌魁偉
偉物
雄偉
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