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仰
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おっし
ふりがな文庫
“
仰
(
おっし
)” の例文
やはり何んとしても私は「何を申そうにもまだ姫は大へん
穉
(
おさな
)
いので、そう
仰
(
おっし
)
ゃられるとまるで夢みたいな気がいたす程ですから——」
ほととぎす
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
神様でも、鳥よ虫になれとは
仰
(
おっし
)
ゃる事が出来ますまい。先にその鳥の命をお断ちになってからでも、そう仰ゃる事は出来ますまい。
女の決闘
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
何でも
谷中
(
やなか
)
に御友達とかの御葬式があるんですって。それで急いで行かないと間に合わないから、上っていられないんだと
仰
(
おっし
)
ゃいました。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お前さん方が
仰
(
おっし
)
ゃるから、お玉も来年は
二十
(
はたち
)
になるし、余り
薹
(
とう
)
の立たないうちに、どうかして遣りたさに、とうとうわたしは折れ合ったのだ。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
なれども此の金は受けられませんから、どうかお持帰りを願います、それを貴方がいつまでも手を突いて
仰
(
おっし
)
ゃれば致し方がないから切腹致します
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
そこで趙は
堪
(
こら
)
えかねて笑い出して、「何と
仰
(
おっし
)
あります、唐氏の定鼎は方鼎ではございませぬ、
円鼎
(
えんてい
)
で、足は三つで、方鼎と
仰
(
おっし
)
あるが、それは何で」
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「こう云う落着のない子ですから、お骨も折れましょうが、
厳
(
やかま
)
しく
仰
(
おっし
)
ゃって、どうか
駆使
(
こきつか
)
ってやって下さい」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
わたくしは何と
仰
(
おっし
)
ゃっても
彼奴
(
あいつ
)
のいる
傍
(
そば
)
へ出て行く事は出来ません。もしか
明日
(
あした
)
の朝起きて見まして
彼奴
(
あいつ
)
が消えて無くなっていれば天の
助
(
たすけ
)
というものでございます。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
女はかすかに
微笑
(
ほほえ
)
んだ。「なぜそんなに
仰
(
おっし
)
ゃいますの。出たくなけりゃあ
好
(
い
)
いじゃありませんか。」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
と
仰
(
おっし
)
ゃって神様は、そこへ、二つの大きな
壺
(
つぼ
)
と小さい壺とを、お出しになりました。
トシオの見たもの
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
(微笑む。)それでは旧思想の人は生活していないと
仰
(
おっし
)
ゃるのですか。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
あとで部屋へ行って、どうして私のいった通りにしないのだ、と聞くと、実は烏帽子を被らずに出ようとしたら、久保田さんがどうしても被らなけれゃいけないと
仰
(
おっし
)
ゃるものですから、というのです。
久保田米斎君の思い出
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「そのうちに又——」などと
仰
(
おっし
)
ゃって出て往かれるのを、「又ね……又ね……」などと口真似をして歩きまわったりしているのだった。
かげろうの日記
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「大そうお金持だったそうでございますね。あの時本の少しばかりで
好
(
い
)
いから、お金が残して置いて貰われたらと、いつもそう
仰
(
おっし
)
ゃいます。」
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
わたしが行き合って止めでもしなかったらどんな事になったか知れやしない、思い出しても
怖
(
おそろ
)
しい事だと
仰
(
おっし
)
ゃったよ。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「しかし
今度
(
こんだ
)
は何時もより重いんですって。ことによると
六
(
む
)
ずかしいかも知れないから、健三に見舞に行くようにそういってくれって
仰
(
おっし
)
ゃいました」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
続いて「フェリックスさん」と呼んで見た。男は次第に泣き
止
(
や
)
んだ。「どうしたのか
仰
(
おっし
)
ゃいよ。」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
又「二十日……えー十九日の明方に川を渡って湯の谷泊りと
仰
(
おっし
)
ゃったが、ちょうど二十日が己の所へお泊りと……婆さん、あのお比丘さんの名はお梅という名じゃないか」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「たまに宅へお見えになるお客がございましても、
私
(
わたくし
)
がいないと御註文がないと云う始末でございますから。あれじゃお前が一人で切廻す訳だと、お客さまが
仰
(
おっし
)
ゃって下さいます」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
人間は
嬉
(
よろこ
)
んでそこへ棲み始めた。そのうちに、だんだんお腹がすき出したので、男は早速、神様の
仰
(
おっし
)
ゃったことを思い出し、空を仰いでお祈りを始めた。女もまた、地の上に伏して、お祈りした。
トシオの見たもの
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その思いかけないと
仰
(
おっし
)
ゃるのは。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
「何だかすっかり御気色をお悪くさせてしまいまして。もう何も
仰
(
おっし
)
ゃって下さらなければ、私は帰った方がよろしいのでしょう。——」
ほととぎす
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「では何かい。何かこれまで檀那の
仰
(
おっし
)
ゃった事に、本当でなかった事でもあったのを、お前が気が附いたとでも云うのかい」
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
わたくしの学生時代の談話をしろと
仰
(
おっし
)
ゃっても別にこれと云って申上げるようなことは何もございません。
学生時代
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「何でも
旨
(
うま
)
く運転すると月に三、四十円の利子になるから、それを二人の小遣にして、これから先細く長く遣って行くつもりだって、
御姉
(
おあね
)
えさんがそう
仰
(
おっし
)
ゃいましたよ」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
村「おや旦那旨いことばかり
仰
(
おっし
)
ゃって私などに冗談を仰ゃる
気遣
(
きづか
)
いはありませんが、本当に旦那様の仰ゃることなら私は死んでも宜しい、有難いことだと思って居ります」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「もう大分好いでしょう。それ御覧なさいな。あなた何も言うのではありませんよ。物を
仰
(
おっし
)
ゃっては悪いのですから。あさってあたりはきっと庭に出て御覧なさる事が出来ますわ。」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
或日私がそれをそれとなく殿にお
訊
(
き
)
きすると、「そう、そんな事もあったかも知れんな」と殿はいかにも冷淡そうに
仰
(
おっし
)
ゃられたぎりだった。
ほととぎす
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「いえ。どういたしまして。どうぞなんなりとも
仰
(
おっし
)
ゃって下さいますように。」腰はまた落ち着けられた。
蛇
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
長「はア、本所業平橋の浪島文治郎と
仰
(
おっし
)
ゃるのか、亥太郎の
親父
(
おやじ
)
長藏と申します、お心
易
(
やす
)
く」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おれは当人じゃ
無
(
なけ
)
れば取計いかねると
仰
(
おっし
)
ゃるならば
其男
(
そのおとこ
)
に逢いましょ。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
仰
(
おっし
)
ゃい
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「かわいそうに」とあの方は
仰
(
おっし
)
ゃられながら「じゃ、とにかくお前がお母あ様に出ていただきたいと思われるなら、車をこちらへ寄こしてくれ」
かげろうの日記
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
五円に負けてくれと云うと、「先刻岡田さんが六円なら買うと
仰
(
おっし
)
ゃいましたが、おことわり申したのです」
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
御当家さまへ
上
(
あが
)
りまして、旦那さまは誠に何から何までお慈悲深く、
何様
(
どん
)
な不調法が有りましても、お小言も
仰
(
おっし
)
ゃらず、斯ういう旦那さまは又とは有りません、手前が
仕合
(
しあわせ
)
で
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
旅行に就いて何か経験上の談話をしろと
仰
(
おっし
)
ゃるのですか。
旅行の今昔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
見れば、まだ私があれからずっと山に
籠
(
こも
)
っているものとばかりお思いになっていらしって、何くれと物哀れげに
仰
(
おっし
)
ゃって
かげろうの日記
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「そうじゃございません。お泊になってから少し立ちますと、今なら金があるからと
仰
(
おっし
)
ゃって、今月末までの勘定を済ませておしまいになった位でございます。」
二人の友
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
大阪
(
あっち
)
で
越佐
(
えつさ
)
さんと云っては大した御身代で
在
(
いら
)
っしゃるんだからね、土地で貰おうと
仰
(
おっし
)
ゃれば、網の目から手の出るほど呉れ
人
(
て
)
はあるがの、佐兵衞さんてえのは江戸の生れなんで
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
とご自分で
仰
(
おっし
)
ゃった事さえあるじゃあございませんか。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そんならその主のない家に持って行って置いて来いと
仰
(
おっし
)
ゃったのには、実に驚きましたのでござります。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
僕が君に
欺
(
あざむ
)
かれた訳ではあるまいが、これをこうすればあゝなる、この機械を
斯
(
こ
)
うすれば斯ういう
銭儲
(
ぜにもう
)
けがあると、
貴君
(
きくん
)
の
仰
(
おっし
)
ゃり方が
実
(
まこと
)
しやかで、誠に
智慧
(
ちえ
)
のある方の云うことだから
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「トは
仰
(
おっし
)
あって下さりましても。」
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
仰
(
おっし
)
ゃる
通
(
とおり
)
、どこでお逢になるか知れませんのに、きっと江戸へお知らせになることが出来ましょうか。それに江戸から参るのを、きっとお待になることが出来ましょうか」
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
町「まア/\お二人ともお待ちなさい、今
一言
(
いちごん
)
仰
(
おっし
)
ゃった万年橋というのは」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ト
仰
(
おっし
)
ありまするのは。」
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかし何とも
仰
(
おっし
)
ゃらない。僕にはその時のお母様の顔がいつまでも忘れられなかった。僕は只「お休なさい」と云って、自分の部屋に這入った。時計を見れば三時半であった。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
とにかく埴生と交際することは、これからは
止
(
や
)
めねば行かぬと
仰
(
おっし
)
ゃるのである。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
丁度そこへ女中が来て、福住から来た
使
(
つかい
)
の口上を取り次いだ。お暇ならお遊びにいらっしゃいと、坂井さんが
仰
(
おっし
)
ゃったと云うのである。純一は
躊躇
(
ちゅうちょ
)
せずに、只今伺いますと云えと答えた。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そんな話のある時、聞耳を立てると、お母様が
余所
(
よそ
)
の人に言うなと
仰
(
おっし
)
ゃる。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“仰”を含む語句
仰向
被仰
仰臥
仰山
仰反
仰付
仰々
欽仰
仰有
大仰
渇仰
御仰
仰言
有仰
仰聞
仰天
振仰
随喜渇仰
讃仰
渇仰者
...