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仰
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おつしや
ふりがな文庫
“
仰
(
おつしや
)” の例文
御主人様は
大悦
(
おほよろ
)
こびで、それではその御礼に、おぢいさん、おばあさんに天の羽衣を織つて、御礼にあげなさいと、
仰
(
おつしや
)
いました。
竜宮の犬
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
彼女は
無性
(
むしやう
)
になつかしくなつた。情味の籠つたおつかさまの
仰
(
おつしや
)
り方が涙を誘つたのか。もつと大きな人生の暖みと云ふことが心をそゝつたのか。
夜烏
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
「だけれど、私といふことを忘れてゐやしないかと思つて。——私はこの間はだれだらうと思つた。すつかり見ちがへましたよ。」と
仰
(
おつしや
)
りながら
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
私は
何
(
ど
)
うも
未
(
ま
)
だ私の
時
(
とき
)
を整理する事を知らないのでせうか。ああ夫人よ、あなたの
仰
(
おつしや
)
つた事は道理であると信じます。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
かあさま、本統に
仰
(
おつしや
)
る通りですよ、此風琴を見ると心地がわるくなり升から、たゝんでしまひませうネかあさま
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
▼ もっと見る
「
難有
(
ありがた
)
い、さう
仰
(
おつしや
)
つて下さる人は、貴郎ばかり。決して……決して」と重右衛門は言葉を涙につかへさせながら
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
『まあ、
左様
(
さう
)
仰
(
おつしや
)
らないで、
私
(
わし
)
に任せなされ——悪いやうには
為
(
し
)
ねえからせえて。』と音作は真心籠めて
言慰
(
いひなぐさ
)
めた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それを
聽
(
き
)
いた
刹那
(
せつな
)
のわたしは、その
神樣
(
かみさま
)
のやうなことを
仰
(
おつしや
)
る
先生
(
せんせい
)
を、
心
(
こゝろ
)
の
中
(
なか
)
で、
手
(
て
)
をあはせて
拜
(
をが
)
んでゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
ウルピノ
山
(
さん
)
の
聖人
(
ひじり
)
の
仰
(
おつしや
)
つた
樣
(
やう
)
に、
昔
(
むかし
)
から
色々
(
いろ/\
)
の
口碑
(
くちつたへ
)
のある
中
(
なか
)
で、
船旅
(
ふなたび
)
程
(
ほど
)
時日
(
とき
)
を
選
(
えら
)
ばねばならぬものはありません、
凶日
(
わるいひ
)
に
旅立
(
たびだ
)
つた
人
(
ひと
)
は
屹度
(
きつと
)
災難
(
わざはひ
)
に
出逢
(
であ
)
ひますよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
弟からも約束が違ふつて、厳重に云つて参りますの。それでもやつと父は納得させましたし、大森のお宅でも当分置いて下さるやうに
仰
(
おつしや
)
つて下さいますし——今夜この手紙を
姉弟と新聞配達
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
「心配をおしでない。私たちはどうなつても、お前さへ仕合せになれるのなら、それより結構なことはないのだからね。大王が何と
仰
(
おつしや
)
つても、言ひたくないことは黙つて
御出
(
おい
)
で。」
杜子春
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
老女
(
おば
)
さん、
私
(
わたし
)
も
左様
(
さう
)
ですよ、始めて
此方
(
こちら
)
へ上つて——疲れたらうから早くお
寝
(
やすみ
)
ツて
仰
(
おつしや
)
つて下だすツて、老女さんの傍へ寝せて戴いた時——私、ほんとに母の懐へ抱かれでもした様な気がしましてネ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
『アノ、久子さんと
仰
(
おつしや
)
います……。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『そんな事を
仰
(
おつしや
)
るもので無い、
貴方
(
あなた
)
を
勤人
(
つとめにん
)
におさせ申す位なら私、こんな
襤褸
(
ぼろ
)
を
下
(
さ
)
げて苦労は致しません。』
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
『今日は
御年貢
(
おねんぐ
)
を納めるやうにツて、
奥様
(
おくさん
)
も
仰
(
おつしや
)
りやして——はい、弟の奴も御手伝ひに連れて参じやした。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そのためにどうでせう、
妾
(
わたし
)
や
子
(
こ
)
ども
等
(
ら
)
は
年
(
ねん
)
が
年中
(
ねんぢう
)
、
食
(
く
)
ふや
食
(
く
)
はずなんです。
神樣
(
かみさま
)
、なんとか
仰
(
おつしや
)
つてくれませんか。どうしてあなたはあんな
酒
(
さけ
)
の
造
(
つく
)
り
方
(
かた
)
なんか
人間
(
にんげん
)
にお
教
(
をし
)
えになつたんです。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
お
祖父
(
ぢい
)
さまはそれを
請取
(
うけと
)
り、銀貨を
引
(
ひつ
)
くらかへし、
兎見角見
(
とみかくみ
)
して、新らしい銀貨だと
仰
(
おつしや
)
つて二ツとも
其
(
その
)
まゝ私に下すつて、まだ
書物
(
かきもの
)
があるからといつて急に私にあちらへ行けと
仰
(
おつしや
)
り
升
(
まし
)
たから
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
これは父上様のよく
仰
(
おつしや
)
る、気まぐれではないやうに思はれます。云々
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
「うゝん、さうぢやない。父さまはぢきかへると
仰
(
おつしや
)
つた。」
星の女
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
『いつか
仰
(
おつしや
)
つた様に雑誌を満百号限りお
廃
(
よ
)
し遊せな。それは
貴方
(
あなた
)
に取つても私に取つても残念ですけれど。』
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
『母さまはキイキを癒しに
被入
(
いら
)
つしやるんですよ。』と私が申上げましたら、『知つてるよ』なんて
左様
(
さう
)
仰
(
おつしや
)
いまして……あれを思ふと御可哀さうで御座います。
灯火
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
とうさまが私のことを棒ふらの様だなんて
仰
(
おつしや
)
るんですもの。
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
伯母さんは
階下
(
した
)
で一服やつて、お
娵
(
よめ
)
さんの心得に成るやうなことをお節に言つて聞かせる、それから女持の煙草入を手にしながらお父さん達の
仰
(
おつしや
)
る方へ行つた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
病院の規則としては御断りするんだけれど、まあ
他
(
ほか
)
の方でないからツて、院長さんも
左様
(
さう
)
仰
(
おつしや
)
るんですよ。
死の床
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『では、是非御目に懸りたいことが有まして、斯ういふものが伺ひましたと、
何卒
(
どうか
)
左様
(
さう
)
仰
(
おつしや
)
つて下さい。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
左様
(
さう
)
仰
(
おつしや
)
る方も御座います。ナニ、
被入
(
いら
)
しつて、慣れて御了ひなされば、何でもありません。
黴菌
(
ばいきん
)
が病院中飛んでゞも居るやうに、慣れない方は
思召
(
おぼしめ
)
すでせうが、そんな訳のものでは御座いませんサ。
灯火
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“仰”を含む語句
仰向
被仰
仰臥
仰山
仰反
仰付
仰々
欽仰
仰有
大仰
渇仰
御仰
仰言
有仰
仰聞
仰天
振仰
随喜渇仰
讃仰
渇仰者
...