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仰
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おつし
ふりがな文庫
“
仰
(
おつし
)” の例文
道翹
(
だうげう
)
が
答
(
こた
)
へた。「
豐干
(
ぶかん
)
と
仰
(
おつし
)
やいますか。それは
先頃
(
さきころ
)
まで、
本堂
(
ほんだう
)
の
背後
(
うしろ
)
の
僧院
(
そうゐん
)
にをられましたが、
行脚
(
あんぎや
)
に
出
(
で
)
られた
切
(
きり
)
、
歸
(
かへ
)
られませぬ。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そこで趙は堪へかねて笑ひ出して、「何と
仰
(
おつし
)
あります、唐氏の定鼎は方鼎ではございませぬ、円鼎で、足は三つで、方鼎と仰あるが、それは何で」
骨董
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
何
(
なに
)
、
叔母
(
をば
)
さんの
方
(
はう
)
ぢや、
此方
(
こつち
)
で
何時迄
(
いつまで
)
も
貴方
(
あなた
)
の
事
(
こと
)
を
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
したまんま、
構
(
かま
)
はずに
置
(
お
)
くもんだから、それで
彼
(
あゝ
)
仰
(
おつし
)
やるのよ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そのあなたがわたくしを連れて逃げて下さると
仰
(
おつし
)
やるのは、いつ頃でせうか」と、娘はたゆたひながら尋ねた。
駆落
(新字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
或
(
あ
)
る
時
(
とき
)
は、
警察
(
けいさつ
)
へ
飛込
(
とびこ
)
んでもみたさうですけれど、
大久保
(
おほくぼ
)
さんの
仰
(
おつし
)
やることが、やはり
真実
(
しんじつ
)
らしく
聞
(
きこ
)
えたものでせうか、その
時
(
とき
)
も
連
(
つ
)
れ
戻
(
もど
)
されてしまひました。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
「だつてをばさんに薔薇を上げなくては。花も持たないで行つては、をばさんがなんと
仰
(
おつし
)
やるか知れないわ。ヰクトルや。もう一本お切りよ。もう一本。沢山切るのだよ。」
薔薇
(新字旧仮名)
/
グスターフ・ウィード
(著)
はい
実
(
じつ
)
は……
川上宗治
(
かはかみそうぢ
)
の
弟子
(
でし
)
でございます。主「フーン……お
姓名
(
なまへ
)
は
聴
(
き
)
いても
仰
(
おつし
)
やるまいね。 ...
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「まあ。何を
仰
(
おつし
)
やるの。それではわたくしに
御笑談
(
ごぜうだん
)
を仰やるやうにしか思はれませんね。昔わたくしの小さい時も、好くわたくしを馬鹿にしてお遊びなすつた事がありましたが。」
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
「柵が結つてあると
仰
(
おつし
)
やるのは、壽阿彌一人の墓の事ですか。それとも石塔が幾つもあつて、それに柵が結ひ
繞
(
めぐ
)
らしてあるのですか。」
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「広田先生は、よく、あゝ云ふ事を
仰
(
おつし
)
やる
方
(
かた
)
なんですよ」と極めて軽く独り
言
(
ごと
)
の様に云つたあとで、急に調子を
更
(
か
)
へて
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
然
(
さ
)
う
仰
(
おつし
)
やられては
実
(
じつ
)
に胸が一
杯
(
ぱい
)
になります……お菓子か
何
(
なに
)
かあるだらう……
最
(
も
)
う
皆
(
み
)
な
賓客
(
きやく
)
に
持
(
も
)
たして
遣
(
や
)
つてしまつたか……困つたなア……
何
(
なに
)
かないかなア……ンー一
軒
(
けん
)
おいて
隣家
(
となり
)
の
大仏餅
(
だいぶつもち
)
でも
宜
(
よ
)
い
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こんな事を申して御機嫌を損じまするかも知れませんが、何でも夫婦の間では隠し立を致してはならないと、いつも
仰
(
おつし
)
やるのでございますから申すのでございます。
魔睡
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
貴方
(
あなた
)
あの
事
(
こと
)
を
叔父
(
をぢ
)
さんに
仰
(
おつし
)
やつて」と
聞
(
き
)
いた。
宗助
(
そうすけ
)
はそれで
急
(
きふ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した
樣
(
やう
)
に
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今朝
(
けさ
)
早く佐々木さんが御
出
(
いで
)
になつて、小川が病気だから見舞に行つて
遣
(
や
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
何
(
なに
)
病だか
分
(
わか
)
らないが、
何
(
なん
)
でも軽くはない様だ。つて
仰
(
おつし
)
やるものだから、
私
(
わたくし
)
も美禰子さんも
吃驚
(
びつくり
)
したの
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
先年
出水
(
しゆつすゐ
)
の時、城代松平伊豆守殿へ町奉行が出兵を願つたが、大切の
御城警固
(
おんしろけいご
)
の者を貸すことは相成らぬと
仰
(
おつし
)
やつたやうに聞いてをります。一応御一しよにことわつて見ようぢやありませんか。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
妙なのね、そんなに
厭
(
いや
)
がるのは。——
厭
(
いや
)
なんぢやないつて、
口
(
くち
)
では
仰
(
おつ
)
しやるけれども、
貰
(
もら
)
はなければ、
厭
(
いや
)
なのと
同
(
おん
)
なしぢやありませんか。それぢや
誰
(
だれ
)
か
好
(
す
)
きなのがあるんでせう。
其方
(
そのかた
)
の名を
仰
(
おつし
)
やい
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
仰
(
おつし
)
やらなかつたので、後にはわたくしは餘り其席へ出ませんでした。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
厭
(
いや
)
なのを
無理
(
むり
)
に
仰
(
おつし
)
やらなくつても
可
(
い
)
いわ」と
御米
(
およね
)
が
答
(
こた
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“仰”を含む語句
仰向
被仰
仰臥
仰山
仰反
仰付
仰々
欽仰
仰有
大仰
渇仰
御仰
仰言
有仰
仰聞
仰天
振仰
随喜渇仰
讃仰
渇仰者
...