『駆落（かけおち）』

寺院は全く空虚である。 贄卓の上の色硝子の窓から差し入る夕日が、昔の画家が童貞女の御告の画にかくやうに、幅広く素直に中堂に落ちて、階段に敷いてある、色の褪めた絨緞を彩つてゐる。それからバロツク式の木の柱の立つてゐる、レクトリウムを通つて、そ …

著者	ライネル・マリア・リルケ
翻訳者	森林太郎
翻訳者	森鴎外
ジャンル	文学 > ドイツ文学 > 小説 物語
原題	DIE FLUCHT
初出	「女子文壇　八ノ一」1912（明治45）年1月1日
文字種別	新字旧仮名
読書目安時間	約10分（500文字/分）
朗読目安時間	約16分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

仰（おつし） 瞬（またゝき） 見（みる） 帰途（かへりみち） 現（うつゝ） 摩（ず） 徐（しづ） 周囲（まはり） 饒舌（しやべ） 鐸（ベル） 踵（くびす） 微笑（ほゝゑ） 振（ふる） 頷（うなづ） 奈何（いか） 檞（かし） 迂路（まはりみち） 点（とも） 煤（すゝ） 夜（よ） 抽斗（ひきだし） 転（ころ） 寝台（ねだい） 贄卓（にへづくゑ） 御告（おつげ） 草臥（くたび） 腮（あご） 背後（うしろ） 竪（たて） 息張（いば） 為事（しごと） 気取（けど） 木理（もくめ） 旋（めぐ） 打（ぶ）