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仰
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あふ
ふりがな文庫
“
仰
(
あふ
)” の例文
裾野
(
すその
)
の
煙
(
けむり
)
長
(
なが
)
く
靡
(
なび
)
き、
小松原
(
こまつばら
)
の
靄
(
もや
)
廣
(
ひろ
)
く
流
(
なが
)
れて、
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
幕
(
まく
)
更
(
さら
)
に
富士山
(
ふじさん
)
に
開
(
ひら
)
く
時
(
とき
)
、
其
(
そ
)
の
白妙
(
しろたへ
)
を
仰
(
あふ
)
ぐなる
前髮
(
まへがみ
)
清
(
きよ
)
き
夫人
(
ふじん
)
あり。
肘
(
ひぢ
)
を
輕
(
かる
)
く
窓
(
まど
)
に
凭
(
よ
)
る。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
言はれて
内室
(
ないしつ
)
に
入
(
はひ
)
つて見ると
成程
(
なるほど
)
石は
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
紫檀
(
したん
)
の
臺
(
だい
)
に
還
(
かへ
)
つて居たので
益々
(
ます/\
)
畏敬
(
ゐけい
)
の
念
(
ねん
)
を
高
(
たか
)
め、
恭
(
うや/\
)
しく老叟を
仰
(
あふ
)
ぎ見ると、老叟
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
それは
食料
(
しよくれう
)
と
薪
(
まき
)
との
不廉
(
ふれん
)
な
供給
(
きようきふ
)
を
仰
(
あふ
)
がねばならぬからである。
勘次
(
かんじ
)
はお
品
(
しな
)
の
發病
(
はつびやう
)
から
葬式
(
さうしき
)
までには
彼
(
かれ
)
にしては
過大
(
くわだい
)
な
費用
(
ひよう
)
を
要
(
えう
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
微賤
(
びせん
)
の一
僧侶
(
そうりよ
)
吉宗ぬしの
落胤
(
らくいん
)
と稱し
政府
(
せいふ
)
に
迫
(
せま
)
る事急にして其
證跡
(
しようせき
)
も明かなれば天下の
有司
(
いうし
)
彼に
魅入
(
みいれ
)
られ既にお
世繼
(
よつぎ
)
と
仰
(
あふ
)
がんと爲たりしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今日
(
けふ
)
の
如
(
ごと
)
く
浪路
(
なみぢ
)
穩
(
おだや
)
かに、
頓
(
やが
)
て
相
(
あひ
)
共
(
とも
)
に
※去
(
くわこ
)
の
平安
(
へいあん
)
を
祝
(
いは
)
ひつゝ
芙蓉
(
ふよう
)
の
峯
(
みね
)
を
仰
(
あふ
)
ぐ
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
るやうにと
只管
(
ひたすら
)
天
(
てん
)
に
祈
(
いの
)
るの
他
(
ほか
)
はないのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
其顏
(
そのかほ
)
を
不審
(
いぶかし
)
げに
仰
(
あふ
)
ぎて、
姉樣人形
(
ねえさまにんぎやう
)
は
下
(
くだ
)
さるか、
進
(
あ
)
げますると
僅
(
わづ
)
かに
諾
(
うなづ
)
く
令孃
(
ひめ
)
、
甚之助
(
じんのすけ
)
は
嬉
(
うれ
)
しく
立
(
たち
)
あがつて、
勝
(
か
)
つた
勝
(
か
)
つた。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
云ふが儘に、酒が運んで来られたので、今
撲
(
な
)
ぐられた
憤怒
(
いかり
)
は殆ど全く忘れたやうに、余念なく酒を湯呑茶椀で
仰
(
あふ
)
り始めた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
二人
(
ふたり
)
は
蓮池
(
はすいけ
)
の
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
り
越
(
こ
)
して、五六
級
(
きふ
)
の
石段
(
いしだん
)
を
上
(
のぼ
)
つて、
其
(
その
)
正面
(
しやうめん
)
にある
大
(
おほ
)
きな
伽藍
(
がらん
)
の
屋根
(
やね
)
を
仰
(
あふ
)
いだまゝ
直
(
すぐ
)
左
(
ひだ
)
りへ
切
(
き
)
れた。
玄關
(
げんくわん
)
へ
差
(
さ
)
しかゝつた
時
(
とき
)
、
宜道
(
ぎだう
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
加藤武雄
(
かとうたけを
)
様。東京を
弔
(
とむら
)
ふの文を作れと云ふ
仰
(
あふ
)
せは正に拝承しました。又おひきうけしたことも事実であります。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
〔譯〕人心の
靈
(
れい
)
、
太陽
(
たいやう
)
の如く然り。但だ
克伐
(
こくばつ
)
怨欲
(
えんよく
)
、
雲霧
(
うんむ
)
四塞
(
しそく
)
せば、此の
靈
(
れい
)
烏
(
いづ
)
くに在る。故に意を
誠
(
まこと
)
にする工夫は、
雲霧
(
うんむ
)
を
掃
(
はら
)
うて白日を
仰
(
あふ
)
ぐより先きなるは
莫
(
な
)
し。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
それで
噴火
(
ふんか
)
の
珍現象
(
ちんげんしよう
)
を
收録
(
しゆうろく
)
するには、
勢
(
いきほひ
)
海外
(
かいがい
)
の
火山
(
かざん
)
に
材料
(
ざいりよう
)
を
仰
(
あふ
)
がざるを
得
(
え
)
なくなる。
勿論
(
もちろん
)
それには
研究
(
けんきゆう
)
の
行屆
(
ゆきとゞ
)
いてゐるのと、さうでないとの
關係
(
かんけい
)
も
加
(
くは
)
はつてゐる。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
是則
(
これすなはち
)
生
(
いきて
)
は
形
(
かたち
)
を以て
運
(
めぐ
)
り、
死
(
しゝ
)
ては
神
(
たましひ
)
を以て
運
(
めぐる
)
ゆゑなりとかや。(文海披沙の説)菅神も此
論
(
ろん
)
に近し。
逃入村
(
にごろむら
)
の事を以ても千年にちかき
神灵
(
しんれい
)
の
赫々
(
かく/\
)
たること
仰
(
あふ
)
ぐべし
敬
(
うやま
)
ふべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
丁度
(
ちやうど
)
福鼠
(
ふくねずみ
)
が
法廷
(
ほふてい
)
を
横切
(
よこぎ
)
つた
時
(
とき
)
に、
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
廷丁
(
てい/\
)
の
一人
(
ひとり
)
に、『この
以前
(
まへ
)
の
音樂會
(
おんがくくわい
)
の、
演奏者
(
えんそうしや
)
の
名簿
(
めいぼ
)
を
持
(
も
)
つて
參
(
まゐ
)
れ』と
仰
(
あふ
)
せられました、これを
聞
(
き
)
いて
憐
(
あは
)
れな
帽子屋
(
ばうしや
)
は、
慄
(
ふる
)
へ
戰
(
をのゝ
)
いて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
謂はゞ
精神的
(
せいしんてき
)
監禁
(
かんきん
)
を
喰
(
く
)
ツたやうなもので、
日光
(
ひのめ
)
を
仰
(
あふ
)
ぐことさへ出來なくなツて了ふ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
本殿の
眞後
(
まうしろ
)
へ𢌞はつた時、
斜
(
なゝめ
)
に
破風
(
はふ
)
の方を
仰
(
あふ
)
ぎながら、お光はこんなことを言つた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ガラツ八の八五郎は、小鼻をふくらませて、親分の錢形平次を
仰
(
あふ
)
ぎました。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「はい。」
怜悧
(
れいり
)
らしい目を見張つて、存外
怯
(
おく
)
れた様子もなく堀を
仰
(
あふ
)
ぎ
視
(
み
)
た。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
しらぬひ
筑紫
(
つくし
)
のはてにわれ居れどをしへの
親
(
おや
)
を
讃
(
たた
)
へざらめや
仰
(
あふ
)
がざらめや
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
その
草
(
くさ
)
の
花
(
はな
)
の
咲
(
さ
)
いてゐるところに
据
(
すわ
)
りこんで
空
(
そら
)
を
仰
(
あふ
)
ぐと、
雲
(
くも
)
が
出
(
で
)
てゐる。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
然
(
さ
)
れば瀧口が錫杖の到る所、
其風
(
そのふう
)
を慕ひ其徳を
仰
(
あふ
)
がざるはなかりけり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
仰
(
あふ
)
向けに手足ひろげて白熊の浮かぶを見ればのどかなりけり
河馬
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
仰
(
あふ
)
ぐともなき
目見
(
まみ
)
のゆめ、やはらに涙さそふ
時
(
とき
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
曲
(
まが
)
り
角
(
かど
)
に出してある
宮戸座
(
みやとざ
)
の
絵看板
(
ゑかんばん
)
を
仰
(
あふ
)
いだ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「
眞
(
まこと
)
」の
唇
(
くち
)
はかしこみて「
望
(
のぞみ
)
」の
眼
(
まなこ
)
、
天
(
そら
)
仰
(
あふ
)
ぎ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
空を
仰
(
あふ
)
ぐといふことが一度もなかりき。
悲しき玩具
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
天
(
あま
)
つ
御空
(
みそら
)
に此君を
仰
(
あふ
)
ぎ見すらむ。
忌々しき「死」の大君は
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
豁然
(
かつぜん
)
たる 大空を
仰
(
あふ
)
ぎたちたり
秋の瞳
(新字旧仮名)
/
八木重吉
(著)
葡萄
(
ぶだう
)
いろの秋の空を
仰
(
あふ
)
げば
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
愛
(
あひ
)
の
光
(
ひか
)
りを
仰
(
あふ
)
がしめずや。
友に
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
三
界
(
ぐわい
)
の
獨尊
(
どくそん
)
と
仰
(
あふ
)
がれ
給
(
たま
)
ふ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
仰
(
あふ
)
がねば
佐藤春夫詩集
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
と
振向
(
ふりむ
)
き
状
(
ざま
)
に、ぶつきら
棒
(
ぼう
)
に
立
(
た
)
つて、
握拳
(
にぎりこぶし
)
で、
額
(
ひたい
)
を
擦
(
こす
)
つたのが、
悩乱
(
なうらん
)
した
頭
(
かしら
)
の
髪
(
かみ
)
を、
掻毮
(
かきむし
)
りでもしたさうに
見
(
み
)
えて、
煙
(
けむり
)
の
靡
(
なび
)
く
天井
(
てんじやう
)
を
仰
(
あふ
)
いだ。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
仰
(
あふ
)
ぎ地に
伏
(
ふし
)
て
悲
(
かな
)
しみ歎き我が身程世に
因果
(
いんぐわ
)
なる者はなし主人の養子が
引負
(
ひきおひ
)
を身に引受てかく
恥
(
はぢ
)
も若旦那樣を
眞人間
(
まにんげん
)
にして上たさに
厭
(
いと
)
はゞこそ
猶
(
なほ
)
御異見を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さうして
始
(
はじめ
)
から
取捨
(
しゆしや
)
も
商量
(
しやうりやう
)
も
容
(
い
)
れない
愚
(
おろか
)
なものゝ
一徹
(
いつてつ
)
一圖
(
いちづ
)
を
羨
(
うらや
)
んだ。もしくは
信念
(
しんねん
)
に
篤
(
あつ
)
い
善男善女
(
ぜんなんぜんによ
)
の、
知慧
(
ちゑ
)
も
忘
(
わす
)
れ
思議
(
しぎ
)
も
浮
(
うか
)
ばぬ
精進
(
しやうじん
)
の
程度
(
ていど
)
を
崇高
(
すうかう
)
と
仰
(
あふ
)
いだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『あら、あら、あの
音
(
おと
)
は——。』と
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
眼
(
め
)
をまん
丸
(
まる
)
にして
母君
(
はゝぎみ
)
の
優
(
やさ
)
しき
顏
(
かほ
)
を
仰
(
あふ
)
ぐと、
春枝夫人
(
はるえふじん
)
は
默然
(
もくねん
)
として、
其
(
その
)
良君
(
をつと
)
を
見
(
み
)
る。
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
は
靜
(
しづ
)
かに
立上
(
たちあが
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼
(
かれ
)
は
今
(
いま
)
熾
(
さかん
)
な
暑
(
あつ
)
い
日
(
ひ
)
を
仰
(
あふ
)
いだ
目
(
め
)
を
放
(
はな
)
つて
俄
(
にはか
)
に
物陰
(
ものかげ
)
を
探
(
さが
)
さうとするものゝやうに
酷
(
ひど
)
く
勝手
(
かつて
)
が
違
(
ちが
)
つたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
今出すから、まア
一先
(
ひとまづ
)
坐んなさいと
和
(
なだ
)
められて、兎に角再び席に
就
(
つ
)
いたが、前の酒を一息に
仰
(
あふ
)
つて
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
我
(
わ
)
れを
腑甲斐
(
ふがひ
)
なしと
思
(
おも
)
ふな、
腕
(
うで
)
には
職
(
しよく
)
あり
身
(
み
)
の
健
(
すこや
)
かなるに、いつまで
斯
(
か
)
くてはあらぬものをと
口癖
(
くちぐせ
)
に
仰
(
あふ
)
せらるゝは、
何處
(
どこ
)
やら
我
(
わ
)
が
心
(
こゝろ
)
の
顏
(
かほ
)
に
出
(
い
)
でゝ
卑
(
いや
)
しむ
色
(
いろ
)
の
見
(
み
)
えけるにや
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
是則
(
これすなはち
)
生
(
いきて
)
は
形
(
かたち
)
を以て
運
(
めぐ
)
り、
死
(
しゝ
)
ては
神
(
たましひ
)
を以て
運
(
めぐる
)
ゆゑなりとかや。(文海披沙の説)菅神も此
論
(
ろん
)
に近し。
逃入村
(
にごろむら
)
の事を以ても千年にちかき
神灵
(
しんれい
)
の
赫々
(
かく/\
)
たること
仰
(
あふ
)
ぐべし
敬
(
うやま
)
ふべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それが
汽車
(
きしや
)
の
通
(
とほ
)
るのを
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
ながら、一
齊
(
せい
)
に
手
(
て
)
を
擧
(
あ
)
げるが
早
(
はや
)
いか、いたいけな
喉
(
のど
)
を
高
(
たか
)
く
反
(
そ
)
らせて、
何
(
なん
)
とも
意味
(
いみ
)
の
分
(
わか
)
らない
喊聲
(
かんせい
)
を一
生
(
しやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
迸
(
ほとばし
)
らせた。するとその
瞬間
(
しゆんかん
)
である。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『オイ、
默
(
だま
)
れ!』と
云
(
い
)
つて
兎
(
うさぎ
)
は
咡
(
さゝや
)
くやうな
調子
(
てうし
)
で、『
女王樣
(
ぢよわうさま
)
がお
前
(
まへ
)
の
事
(
こと
)
をお
訊
(
き
)
きになつた!お
前
(
まへ
)
は
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が
些
(
や
)
や
遲
(
おく
)
れてお
出
(
い
)
でになつたことを
知
(
し
)
つてるだらう、それで
女王樣
(
ぢよわうさま
)
の
仰
(
あふ
)
せらるゝには——』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「
真
(
まこと
)
」の
唇
(
くち
)
はかしこみて「
望
(
のぞみ
)
」の
眼
(
まなこ
)
、
天
(
そら
)
仰
(
あふ
)
ぎ
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
たゆげに
仰
(
あふ
)
ぐ人はいま
鈍
(
にぶ
)
くもきかむ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
仰
(
あふ
)
げば、夕空さびしき星めざめて
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
但馬守
(
たじまのかみ
)
は
悵然
(
ちやうぜん
)
として
天井
(
てんじやう
)
を
仰
(
あふ
)
いだ。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
仰
(
あふ
)
げば
深
(
ふか
)
し
藤
(
ふぢ
)
の
棚
(
たな
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
いざ
仰
(
あふ
)
げ、共に
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「
綺麗
(
きれい
)
だわ、
綺麗
(
きれい
)
だわ、
綺麗
(
きれい
)
な
蟲
(
むし
)
だわ。」と
魅
(
み
)
せられたやうに
言
(
い
)
ひつゝ、
草履
(
ざうり
)
をつま
立
(
だ
)
つやうにして、
大空
(
おほぞら
)
を
高
(
たか
)
く、
目
(
め
)
を
据
(
す
)
ゑて
仰
(
あふ
)
いだのである。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
縁側
(
えんがは
)
に
出
(
で
)
て、
高
(
たか
)
い
庇
(
ひさし
)
を
仰
(
あふ
)
ぐと、
黒
(
くろ
)
い
瓦
(
かはら
)
の
小口
(
こぐち
)
丈
(
だけ
)
が
揃
(
そろ
)
つて、
長
(
なが
)
く一
列
(
れつ
)
に
見
(
み
)
える
外
(
そと
)
に、
穩
(
おだや
)
かな
空
(
そら
)
が、
蒼
(
あを
)
い
光
(
ひかり
)
をわが
底
(
そこ
)
の
方
(
はう
)
に
沈
(
しづ
)
めつゝ、
自分
(
じぶん
)
と
薄
(
うす
)
くなつて
行
(
ゆ
)
く
所
(
ところ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さうしては
蛙
(
かへる
)
の
鳴
(
な
)
かぬ
日中
(
につちう
)
にのみ、
之
(
これ
)
を
仰
(
あふ
)
げば
眩
(
まば
)
ゆさに
堪
(
た
)
へぬやうに
其
(
そ
)
の
身
(
み
)
を
遙
(
はるか
)
に
煌
(
きら
)
めく
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
の
中
(
なか
)
に
沒
(
ぼつ
)
して
其
(
その
)
小
(
ちひ
)
さな
咽
(
のど
)
の
拗切
(
ちぎ
)
れるまでは
劇
(
はげ
)
しく
鳴
(
な
)
らさうとするのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“仰”を含む語句
仰向
被仰
仰臥
仰山
仰反
仰付
仰々
欽仰
仰有
大仰
渇仰
御仰
仰言
有仰
仰聞
仰天
振仰
随喜渇仰
讃仰
渇仰者
...