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仰
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あおむ
ふりがな文庫
“
仰
(
あおむ
)” の例文
病院の
寝台
(
ねだい
)
の上に
仰
(
あおむ
)
きに成ったきり、流血の止るまでは身動きすることも出来なかった。お新は親戚の家から毎日のように見舞に出掛けた。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それは息もないようなしずかな寝姿であり、見る目
憚
(
はばか
)
らぬこどものように
仰
(
あおむ
)
き踏みはだかった無邪気な寝姿でもある。
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
何時か西洋の演劇雑誌で見たことのある、
西洋
(
あちら
)
の
女俳優
(
おんなやくしゃ
)
のような
頭髪
(
かみ
)
をしている、と思って私は
仰
(
あおむ
)
けに寝ながら顔だけ少し横にして、凝乎と
微笑
(
わら
)
い/\女の
姿態
(
ようす
)
に見惚れていた。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
とのさばり
掛
(
かか
)
り、手もなく
抱
(
だき
)
すくめて
掴
(
つか
)
み行く。
仕丁
(
しちょう
)
手伝い、牛の背に
仰
(
あおむ
)
けざまに置く。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、二、三枚めくったところに、
仰
(
あおむ
)
けに伏した人体全象の図があった。彼らは考えた。
蘭学事始
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
ただ乾いた山砂の上に
細
(
こま
)
かい
蟻
(
あり
)
が何匹も
半死半生
(
はんしはんしょう
)
の
赤蜂
(
あかはち
)
を引きずって行こうとしていたのです。赤蜂は
仰
(
あおむ
)
けになったなり、時々
裂
(
さ
)
けかかった
翅
(
はね
)
を鳴らし、蟻の群を
逐
(
お
)
い払っています。
手紙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
おみやがそのとき、とつぜん石川の手に
噛
(
か
)
みついた。石川は「あっ」といったが、噛ませたままで、おみやの手を逆に返した。おみやは膝を折って
仰
(
あおむ
)
けになり、けんめいに彼の手首の骨を噛んだ。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
秀吉は依然、
仰
(
あおむ
)
けに寝たままである。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見る見る遠く離れて、馬の背の上に
仰
(
あおむ
)
けさまに仆れたお隅の顔も形も分らない程になる。不幸な女の最後はこれです。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
深更の大路に車の
轆
(
きし
)
る音が起って、
都
(
みやこ
)
の一端をりんりんとして
馳
(
は
)
せ
行
(
ゆ
)
く
響
(
ひびき
)
、山下を抜けて広徳寺前へかかる時、
合乗
(
あいのり
)
の
泥除
(
どろよけ
)
にその黒髪を敷くばかり、蝶吉は身を横に、顔を
仰
(
あおむ
)
けにした上へ
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
時々立止って、
仰
(
あおむ
)
きながら首を振る度に、
猶々
(
なおなお
)
胸が込上げてくる。足許の蟋蟀は、ばったり歌をやめるのでした。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と
母親
(
おふくろ
)
は
仰
(
あおむ
)
きながら鼻を
啜
(
すす
)
りました。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“仰”を含む語句
仰向
被仰
仰臥
仰山
仰反
仰付
仰々
欽仰
仰有
大仰
渇仰
御仰
仰言
有仰
仰聞
仰天
振仰
随喜渇仰
讃仰
渇仰者
...