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あふむ
「何ツ」松島は
猛獅の如く
躍り上りつ、梅子の胸を
捉へて
仰けに倒せり、「女と思つて
赦して置けば増長しやがつて——
貴様の此の
栄耀を尽くすことの出来るのは誰のお蔭だ、 ...
紀昌こゝに
於て、
家に
歸りて、
其の
妻が
機織る
下に
仰けに
臥して、
眼を
睜いて
蝗の
如き
梭を
承く。
二年の
後、
錐末眥に
達すと
雖も
瞬かざるに
至る。
往いて
以て
飛衞に
告ぐ、
願くは
射を
學ぶを
得ん。
けげんな顔をふり
仰けてゐる
伴人らに、柔和な笑顔を向けた。
其れ迄は記憶して居るが後は
何したか少しも覚えない、
不図気が付いて見ると、自分は
左腕で血に染まつた小米の
屍骸を
仰けに抱いて、右手に工場用の
大洋刀を握つて居たと云ふのです