“おおせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
88.2%
2.9%
御命2.9%
命令2.9%
御仰2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「はッ、おおせ一応御道理ごもっとも御言おことばを返しましては恐多くござりまするが、あれが死にましたは何も金次の知ったことではござりませぬ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
嫜の方の朝夕ちょうせきの見舞をかくべからず。嫜の方のつとむべきわざおこたるべからず。若し嫜のおおせあらばつつしみおこなひてそむくべからず。よろずのこと舅姑に問ふて其教にまかすべし。嫜若し我をにくみそしりたまふともいかりうらむること勿れ。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
今時いまどきの民家は此様の法をしらずして行規ぎょうぎみだりにして名をけがし、親兄弟にはじをあたへ一生身をいたずらにする者有り。口惜くちおしき事にあらずや。女は父母のおおせ媒妁なかだちとに非ざれば交らずと、小学にもみえたり。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
そはともあれわれ今日は大王の御命おおせを受け、和主を今宵招かんため、今朝けさより里へ求食あさり来つ、かくまで下物さかなは獲たれども、余りにかさ多ければ、独りにては運び得ず、思量しあんにくれし処なり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
... さればわれその厚意こころざしで、おつつけ彼の黒衣とやらんをうって、爾がためにうらみすすがん。心安く成仏じょうぶつせよ」「こは有難き御命おおせかな。かくては思ひ置くこともなし、くわが咽喉のどみたまへ」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
御身おみと同然に、愚僧御司配ごしはい命令おおせこうむり、京都と同じ日、づ/\同じ刻限に、江戸城へも事を試みる約束であつたれば、千住せんじゅ大橋おおはし、上野の森をひとのしに、濠端ほりばたの松まで飛んで出た。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
御仰おおせの通り昨年冬頃まで召使ひ候旨御答おこたえ申上候処、御役人申され候には、かの慶蔵事新宿しんじゅく板橋辺いたばしへん女郎屋じょろうやにて昨年来身分不相応の遊興致し候のみならず、あまつさへ大金所持致しをり候ゆえ
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)