“いひつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
吩咐28.3%
吩附15.2%
10.9%
吩付10.9%
命令10.9%
言附8.7%
言付4.3%
呍吩2.2%
云付2.2%
2.2%
言着2.2%
言継2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
松子がちよつとした用事を吩咐いひつけても、いつだつて外方そつぽむいて返事もしないつて風なんです。松子は泣いてしまつたんです。
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「おつう、四五日ねえでたつけがとやにもいくらかつたつけべ、あがつてねえか」おつぎに吩附いひつけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
中馬が力まかせに時々乱暴をするので、南天棒和尚が海清寺から退散をいひつけた事があつた。
「ああ、それは私の為事しごとの一つでしたわねえ。貴方に吩付いひつけられた。」女は居住まひを直して男の真向まむきになつた。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
『まァ、可厭いや動物どうぶつだこと、ひと命令いひつけたり、ひと學課がくくわのやりなほしをさせたりして!』とあいちやんはおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
午食すまして荷運びの赤帽あかばう二人を雇ひ、第一の部屋に行つて荷を運び、第二の部屋に運ぶやうに言附いひつけ、上さんに南京虫の談合をすると、『あなたが旅舎ホテルから持つて来たのだらう』
南京虫日記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
博士は中單チヨキの鈕を半分掛けた儘で、手早く式部職へ當てた所勞の屆を書いて、用箪笥の抽出ひきだしから、御門鑑を出して、女中を呼んで、車夫に持たせて遣るやうに言付いひつけた。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
母は気が弱いので、う目尻を袖口で拭つて、何か独りで囁※ぶつぶつこぼしながら、それでも弟に呍吩いひつけられたなりに、大鍋をガチヤ/\させて棚から下してゐた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
私は五歳いつつ六歳むつの頃から、三日に一度か四日に一度、必ず母に呍吩いひつかつて、叔父の家に行つたものである。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それからこれ安之助やすのすけ共同きようどうして失敗しつぱいした仕事しごとであるが、叔母をば云付いひつけで、障子しやうじらせられたときには、水道すゐだうでざぶ/\わくあらつたため、矢張やつぱかわいたあとで、惣體そうたいゆがみ出來でき非常ひじやう困難こんなんした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
恰度いいことに、藤一郎はまた用件をいひつかった。今度はしくじるまいと、藤一郎は自転車に燈をつけた。
少年 (新字旧仮名) / 原民喜(著)
わしたのまれましたけに、ちよく/\見廻みまはりにめえりますだ。ようがあるなら、言着いひつけてくらつせえましよ。』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
西坂にしざか伴天連ばてれん不浄ふじやうといひて言継いひつぎにけり悲しくもあるか
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)