“いいつけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
命令42.6%
吩咐34.4%
吩附4.9%
吩付3.3%
言附3.3%
云付3.3%
云附3.3%
命咐1.6%
愁訴1.6%
言付1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さあ、たとえ俺が無理でも構わん、無情でも差支えん、おんなが怨んでも、泣いても可い。こがじにに死んでも可い。先生の命令いいつけだ、切れっちまえ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
また、しょっちゅう料理場でうろうろしていて、叔父からあれ取れこれ取ってくれと一寸した用事を吩咐いいつけられるのを待つという風であった。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「は、それでは何か誰ぞの吩附いいつけででもあるのですか。」
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いいえ。彼女あいつは毎晩、両親の吩付いいつけで直ぐ向うのなかに寝る事になっておりますので……」
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
殿様のお言附いいつけになったのはやさしい為事しごとだ。
手前おぼえがあらう、それおれがまだすつぺかしたての時分よ、親父の云付いいつけで、御所ごぜの町へ鮨を商ひにいつたらう、その時は手前も振袖かなんか着込んで、赤いきれを頭へかけ、今たあちがつて
云附いいつけでございました。
(新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「爪をってくれい。」そう主人の命咐いいつけを酔った手つきで、白すねの投げ出されたときは、実際からだが震えるほど、ぞっと嬉しかった。
お小姓児太郎 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「オイ、稲垣君、君は細君を掃出はきだしたなんて——今、細君が愁訴いいつけに来たぜ」と宗蔵も心やすだてに。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あんまり図々ずうずうしいから首はこうしてさらして置けとそのお武士がおっしゃる、望月様もあんまりひどい目に会わせられましたから、口惜しがって、その武士のお言付いいつけ通り
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)