“ことづ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
言伝65.7%
17.9%
4.5%
言傳4.5%
言付3.0%
言託3.0%
言附1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「僕は今朝けさ郁文堂いくぶんどう大井おおい君に言伝ことづてを頼んだら何でも買ってくれと云うので、とうとう一等の切符を四枚押つけられてしまった。」
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
沢は恐入おそれいらずには居られなかつた。とびはねにはことづけても、此の人の両袖に、——く、なよなよと、抱取だきとらるべき革鞄ではなかつたから。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「ああ、さやうでいらつしやいますか。」百合子女史は、大事のことづものの持つてき場が判つたやうに、初めて叮嚀に挨拶をした。「どうも有難うございます。」
八五郎に一應言傳ことづてをした、土地の御用聞二本榎の房吉と言ふのも立ち會ひましたが、これは中年者でも錢形平次とは貫祿が違つて居るので、丁寧に挨拶して、平次の探索振りを見て居ります。
花魁おいらんからのお言付ことづけなんですが……ぢや……あの……手前が一つ」
吉原百人斬り (新字旧仮名) / 正岡容(著)
原稿を十四五枚、言託ことづけただけで帰ろうと思うのを、「どうぞ、」と黙って入ってしまった。ほこりだらけの足を、下駄へ引擦ひっこすったなり、中二階のような夏座敷へ。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
長「えゝ、これは宅のお爺さんが鍛った、これは有難い、大切につかいやす、それじゃア若旦那への言附ことづけは八百ばかり云いましょう、大きに有難う、左様なら」