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託
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ことづ
ふりがな文庫
“
託
(
ことづ
)” の例文
「御苦労だが、帰りに
並仙
(
なみせん
)
に寄って明日来るようにそう云ってくれ。」と
託
(
ことづ
)
けをした。並仙というのは角町にあった
俥屋
(
くるまや
)
である。
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
沢は
恐入
(
おそれい
)
らずには居られなかつた。
鳶
(
とび
)
の
羽
(
はね
)
には
託
(
ことづ
)
けても、此の人の両袖に、——
恁
(
か
)
く、なよなよと、
抱取
(
だきと
)
らるべき革鞄ではなかつたから。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
というものは私が手紙を
託
(
ことづ
)
かって行ったサラット・チャンドラ・ダースという人は英国政府の官吏であって月に三百六十ルピーずつ
貰
(
もら
)
って居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
彼はその後父親に
託
(
ことづ
)
けて貝殻一
包
(
つつみ
)
と見事な鳥の毛を何本か送って寄越した。わたしの方でも一二度品物を届けてやったこともあるが、それきり顔を見たことが無い。
故郷
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
「女これかれ
浴
(
ゆあ
)
みなどせむとて、あたりの宜しき所に下りて往く云々、何の葦影に
託
(
ことづ
)
けて、ほやのつまのいずし、すしあはびをぞ、心にもあらぬ
脛
(
はぎ
)
にあげて見せける」
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
何故と云へば、わしは誰にわしの手紙を
託
(
ことづ
)
けると云ふ事も出来ないからである。わしは僧侶と云ふ神聖な職務に就きながら誰にわしの心の中を打明ける事が出来るだらう。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
石動の町の医師を
託
(
ことづ
)
かりながら、三造は、見返りがちに、今は
蔓草
(
つるくさ
)
の
絆
(
きずな
)
も
断
(
た
)
ったろう……その
美女
(
たおやめ
)
の、山の
麓
(
ふもと
)
を
辿
(
たど
)
ったのである。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
はじめさんのお母さんからそこの番頭さんになにか
託
(
ことづ
)
けがあったのである。番頭さんは二人に
金平糖
(
コンペイトー
)
のお菓子をくれて、そのうえはじめさんには拾銭白銅を一つお
駄賃
(
だちん
)
にくれた。
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
ちょいと
託
(
ことづ
)
ける事があるのだから、折角見えたものを
情
(
すげ
)
なく追帰すのも、お気の毒だと思って、通して上げましたがね、
熟
(
じっ
)
として待っていなさい。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
天満の鉄橋は、瀬多の長橋ではないけれども、
美濃
(
みの
)
へ帰る旅人に、怪しい手箱を
託
(
ことづ
)
けたり、
俵藤太
(
たわらとうだ
)
に加勢を頼んだりする人に似たように思ったのだね。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
五分
(
ごふん
)
あれば
間
(
ま
)
にあひませう。」
其處
(
そこ
)
で、
別
(
べつ
)
の
赤帽君
(
あかばうくん
)
の
手透
(
てすき
)
で
居
(
ゐ
)
るのを
一人
(
ひとり
)
頼
(
たの
)
んで、その
分
(
ぶん
)
の
切符
(
きつぷ
)
を
託
(
ことづ
)
けた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「それに、あの、お出先へお迎いに
行
(
ゆ
)
くのなら、
御朋輩
(
ごほうばい
)
の方に、御自分の事をお知らせ申さないように、
内証
(
ないしょ
)
でと、くれぐれも、お
託
(
ことづ
)
けでございましたものですから。」
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一夜
(
ひとよさ
)
祈
(
いのり
)
はあげたけれど、用の間が忙しゅうて、夜さり高津の蛇穴へ放しに
行
(
ゆ
)
く
隙
(
ひま
)
がない、頼まれて
欲
(
ほし
)
い——云うて、美津さんに
託
(
ことづ
)
きょう、とそれが用で顔見に
行
(
ゆ
)
かはった云うたやないか。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
右
(
みぎ
)
の
其
(
そ
)
の
盲人
(
めくら
)
は、
例
(
れい
)
の
魔
(
ま
)
ものは、
其
(
そ
)
の
婦
(
をんな
)
の
影
(
かげ
)
を、
嘗
(
な
)
めう、
吸
(
す
)
はう、
捉
(
とら
)
へよう、
蹂躙
(
ふみにじ
)
らう、
取啖
(
とりくら
)
はうとつけ
𢌞
(
まは
)
す——
此
(
こ
)
の
儀
(
ぎ
)
を
汝
(
こなた
)
から
託
(
ことづ
)
けて、
氣
(
き
)
を
注
(
つ
)
けるやう
言
(
い
)
ひなさい、と
申
(
まを
)
したのを、よくも
聞
(
き
)
かずに
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
託
常用漢字
中学
部首:⾔
10画
“託”を含む語句
御託
嘱託
御託宣
仮託
屈託
託宣
神託
結託
委託
言託
假託
託児所
屈託顔
請託
遺託
飽託
賄賂請託
屈託気
託言
依託
...