ことづ)” の例文
もり蕎麦は、滝の荒行ほど、どっしりと身にこたえましたが、そのかわり、ご新姐——お雪さんに、(おい、ごく内証ないだぜ。)と云って、手紙をことづけたんです。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ああ、さやうでいらつしやいますか。」百合子女史は、大事のことづものの持つてき場が判つたやうに、初めて叮嚀に挨拶をした。「どうも有難うございます。」
「惜しいことをした。然うと知ったら家へ手紙をやって、醤油の二樽もことづけさせるのだったに」
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)