言託ことづ)” の例文
うてかすことまこととはおもはぬこなたに、言託ことづけるのは無駄むだぢやらうが、ありやうは、みぎものは、さしあたりこなたかげを、つかまうとするではない。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
原稿を十四五枚、言託ことづけただけで帰ろうと思うのを、「どうぞ、」と黙って入ってしまった。ほこりだらけの足を、下駄へ引擦ひっこすったなり、中二階のような夏座敷へ。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)