“いいつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
吩咐50.5%
命令11.9%
云付5.9%
吩付5.0%
吩附5.0%
言告3.0%
言付3.0%
云附3.0%
2.0%
吟附1.0%
告訴1.0%
呍付1.0%
呍咐1.0%
夷逸1.0%
結附1.0%
言慣1.0%
言続1.0%
言附1.0%
讒訴1.0%
遺佚1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『藩の御用なれば、たとえ、どう損がゆこうと身を粉にしようと、愚痴ぐちなどは申しませぬが、あのしわい大野様からの吩咐いいつけなので』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さりとて打ち捨ておかば清吉の乱暴も命令いいつけてさせしかのよう疑がわれて、何も知らぬ身に心地からぬ濡衣ぬれぎぬせられんことの口惜しく
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
私は殊更ことさら父母から厳しく云付いいつけられた事を覚えて居る。今一つ残って居る古井戸はこれこそ私が忘れようとしてもわすれられぬ最も恐ろしい当時の記念である。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
吩付いいつけられて、飼糧桶かいばおけを抱え、裏から軒の外へ廻って行った童子が、そこで、すッ頓狂に、わめいていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
市郎も立寄たちよってあらためた。彼は医師である。左右の人々に吩附いいつけて、かくもお杉を我家へき入れさせた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
こんな料理はとても家で出来ねいの、家の物ばかり食べていてはまらねいのとあれは何ちゅう事だ。父さんや母さんが帰ったらんな言告いいつけてらなくっちゃ
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
狼藉者ろうぜきものが忍入るような事もあれば一大事じゃから、其の方おれがお上屋敷へまいってうちは、折々お内庭を見廻れ、御寝所近い処も見廻るようにと兄よりわたくし言付いいつかって居ります
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なる程お玉という娘の父親は竜神松五郎という海賊かも知れませんが、そんな奴には種々いろいろ魂胆こんたんがありまして、人の知らねえ機関からくりも御座いますから、再調さいしらべの役目を私奴わたくしめにお云附いいつけ下せえまし
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
いいつくれば得三も、探偵にうかがわるることを知りたれば、家を出でむは気懸りなりしに、これさいわいと銀平に
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、高瀬が妻に吟附いいつけた。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
……おまけに後で船長おとっさん告訴いいつけてやるから……とか何とかかしやがったんでイヨイヨ助けておけないと思って、首ッ玉をギューッと……まったくなんで……ヘエ……
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……それから、ここでは、幻灯会が催されることがあった。その玩具は父が大阪から土産に買って戻ったものだったが、幻灯をやる晩は弟の修造に呍付いいつけて、近所の子供たちを招いた。
昔の店 (新字新仮名) / 原民喜(著)
長男に、それでは明日後から次男をつれて来るように呍咐いいつけ、私は妻と二人で先きに立つことにした。
古来、野の賢者として名高いのは、伯夷はくい叔斉しゅくせい虞仲ぐちゅう夷逸いいつ朱張しゅちょう柳下恵りゅうかけい少連しょうれんなどであるが、先師はいわれた。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
まア美代ちゃん/\と言慣いいつけて居るもんですから御新造様の事をホヽヽ、わたくしはがら/\して居りまして
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
宰八が言続いいついで
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして厭っとこさ僕たち二人のことを言附いいつけたんです。ナーヂャは閉じこめられて中二階にはいったきりなんです。
そう冒頭まえおきをして葉子は倉地と押し並んでそろそろ歩きながら、女将おかみの仕打ちから、女中のふしだらまで尾鰭おひれをつけて讒訴いいつけて、早く双鶴館そうかくかんに移って行きたいとせがみにせがんだ。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
をつけて答へよといふ。遺佚いいつ答へてこの車坂は二つありやといふ。陶々子とうとうしがいやこの坂ばかりにて一ぢやといふ。遺佚がいふ車二つあらばまはるべし、一つならばまはらぬはずよといふ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)