言付いいつ)” の例文
『ここへあかりってるように言付いいつけますから……どうしてこんな真暗まっくらところにいられましょう……我慢がまんれません。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
狼藉者ろうぜきものが忍入るような事もあれば一大事じゃから、其の方おれがお上屋敷へまいってうちは、折々お内庭を見廻れ、御寝所近い処も見廻るようにと兄よりわたくし言付いいつかって居ります
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
娘は山賊に捕われた事を、小児心こどもごころにも知っていたけれども、かた言付いいつけられて帰ったから、その頃三ヶ国横行おうこう大賊たいぞくが、つい私どものとなりうちへ入った時も、なんにも言わないで黙っていました。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『いけません、いけません! そんなことをさせてもいいとはたれからも言付いいつかりません。御存ごぞんじでしょう。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)