吩附いいつけ)” の例文
炉のすみに転げて居る白鳥はくちょう徳利どくりの寐姿忌〻いまいましそうにめたるをジロリと注ぎ、裁縫しごとに急がしき手をとめさして無理な吩附いいつけ、跡引き上戸の言葉は針
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「は、それでは何か誰ぞの吩附いいつけででもあるのですか。」
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
共々うれしく帰朝して我はかろからぬ役を拝命するばかりか、ついに姓を冒して人に尊まるゝについてもそなたが母の室香がなさけ何忘るべき、家来に吩附いいつけて段々ただせば、果敢はかなや我とたのしみけで
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「は、それでは何か誰ぞの吩附いいつけででもあるのですか。」
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)