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吩附
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いいつけ
炉の
隅に転げて居る
白鳥徳利の寐姿
忌〻しそうに
睨めたる
眼をジロリと注ぎ、
裁縫に急がしき手を
止さして無理な
吩附、跡引き上戸の言葉は針
「は、それでは何か誰ぞの
吩附ででもあるのですか。」
共々
嬉しく帰朝して我は
軽からぬ役を拝命する
計か、
終に姓を冒して人に尊まるゝに
付てもそなたが母の室香が
情何忘るべき、家来に
吩附て段々
糺せば、
果敢なや我と
楽は
分けで
「は、それでは何か誰ぞの
吩附ででもあるのですか。」