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吩咐
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いひつ
ふりがな文庫
“
吩咐
(
いひつ
)” の例文
それから
數日間
(
すうじつかん
)
は
主人
(
しゆじん
)
の
家
(
うち
)
に
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
せなかつた。
内儀
(
かみ
)
さんは
傭人
(
やとひにん
)
の
惡戯
(
いたづら
)
を
聞
(
き
)
いて
寧
(
むし
)
ろ
憐
(
あはれ
)
になつて
又
(
また
)
こちらから
仕事
(
しごと
)
を
吩咐
(
いひつ
)
けてやつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
松子がちよつとした用事を
吩咐
(
いひつ
)
けても、いつだつて
外方
(
そつぽ
)
むいて返事もしないつて風なんです。松子は泣いてしまつたんです。
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
情無い此我はよと、羨ましいがつひ
高
(
かう
)
じて
女房
(
かゝ
)
にも口きかず泣きながら寐ました其夜の事、五重塔を
汝
(
きさま
)
作れ今直つくれと怖しい人に
吩咐
(
いひつ
)
けられ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
ロミオ
馬鹿
(
ばか
)
な、
何
(
なん
)
の、そんな
事
(
こと
)
を!
俺
(
おれ
)
には
介意
(
かま
)
はいで
吩咐
(
いひつ
)
くることをせい。
御坊
(
ごばう
)
からの
書状
(
しょじゃう
)
は
無
(
な
)
かったか?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
先生は大抵私に
水注
(
みづつぎ
)
の役を
吩咐
(
いひつ
)
けられる。私は、
葉鉄
(
ぶりき
)
で拵へた水差を持つて、机から机と廻つて歩く。
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
猶それから
白鷹
(
はくたか
)
、正宗、月桂冠壜詰の各問屋主人を訪ひ業界の霜枯時に對する感想談話を筆記して來るやうにとのことをも
吩咐
(
いひつ
)
けて置いてそしてあたふたと夫婦連で出て行つた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
母や兄嫁は立つたり坐つたり、何となしに家事に忙しかつたが、勝代はざつと二階の掃除をして、時間外れの朝餐を一人で食べると、下女に
吩咐
(
いひつ
)
けて、二階の炬燵に火を入れさせて、閉ぢ籠つた。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
「
神
(
かみ
)
さまア、
旦那様
(
だんなさア
)
に
吩咐
(
いひつ
)
かつて、東京の御客様ア
伴
(
つ
)
れて来たゞア」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
彼は何やらん
吩咐
(
いひつ
)
けて車夫を遣りぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
おつぎは
勘次
(
かんじ
)
が
吩咐
(
いひつ
)
けて
行
(
い
)
つた
通
(
とほ
)
り
桶
(
をけ
)
へ
入
(
い
)
れてある
米
(
こめ
)
と
麥
(
むぎ
)
との
交
(
ま
)
ぜたのを
飯
(
めし
)
に
炊
(
た
)
いて、
芋
(
いも
)
と
大根
(
だいこ
)
の
汁
(
しる
)
を
拵
(
こしら
)
へる
外
(
ほか
)
どうといふ
仕事
(
しごと
)
もなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
たえ子はお春に
吩咐
(
いひつ
)
けて
着替
(
きかへ
)
をすると、そのまゝふらりと
家
(
うち
)
を出た。たとひ良人が今夜は帰るにしても、顔を合せるのも忌々しいやうな気がしてゐた。
復讐
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
つぎの日の朝私は女に
吩咐
(
いひつ
)
けてトランクから取出させた春のインバネスを着て家を出た。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
乳母
(
うば
)
めに、
情
(
じゃう
)
が
燃
(
も
)
えてゐたら、
若
(
わか
)
い
温
(
あたゝ
)
かい
血
(
ち
)
があったら、テニスの
球
(
たま
)
のやうに、
予
(
わし
)
が
吩咐
(
いひつ
)
くるや
否
(
いな
)
や
戀人
(
こひゞと
)
の
許
(
とこ
)
へ
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
き、また
戀人
(
こひゞと
)
の
返辭
(
へんじ
)
と
共
(
とも
)
に
予
(
わし
)
の
手元
(
てもと
)
へ
飛返
(
とびかへ
)
って
來
(
き
)
つらうもの。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
手を叩いて更に「天麩羅二つ」と
吩咐
(
いひつ
)
けた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
留守をしてゐた若い洋画家のK—子さんに丼を誂へるやうに
吩咐
(
いひつ
)
けたりして、そわ/\してゐた。
草いきれ
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼
(
かれ
)
は
座敷
(
ざしき
)
の
内
(
うち
)
も
掃除
(
さうぢ
)
をして
毎朝
(
まいあさ
)
蒲團
(
ふとん
)
を
整然
(
ちやん
)
と
始末
(
しまつ
)
する
樣
(
やう
)
に
寡言
(
むくち
)
な
口
(
くち
)
からおつぎに
吩咐
(
いひつ
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
……
何
(
なん
)
とぢゃ、
卿
(
そなた
)
!
吩咐
(
いひつ
)
けた
通
(
とほ
)
りをお
語
(
かた
)
りゃったか?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
吩
漢検1級
部首:⼝
7画
咐
漢検1級
部首:⼝
8画
“吩”で始まる語句
吩附
吩付
吩