草いきれくさいきれ
漁船などを僦つて、××会の同志の若い人達六七人と、若鮎の取れる××川に遊んでの帰り、郊外にあるI—子の家へ三四の人を誘つて行つた頃には、鮎猟の真中に一時しよぼ/\と雨をふらしてゐた陰鬱な梅雨空にもいくらか雲の絶え間が出来て、爽かな星の影さへ …